
本記事は「家族滞在 ビザ 申請」でお悩みの方に、何から準備し、どこに提出し、何が審査されるのかを一気通貫で理解・実行できるよう設計した完全ガイドです。出入国在留管理庁の公開情報と行政書士の実務視点を踏まえ、家族滞在の在留資格の範囲、対象となる配偶者・子の定義、申請ルートの選び方(在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更許可・在留期間更新許可)を整理。必要書類チェックリスト最新版と書式の入手先(出入国在留管理庁公式サイト)を提示し、扶養者の収入・生計維持能力(課税証明書・納税証明書・源泉徴収票・雇用契約書・在職証明書)、居住の安定(住民票・賃貸借契約書等)、婚姻・親子関係の実体立証(婚姻証明書・出生証明書・戸籍謄本・写真・送金記録・連絡履歴)、身元保証書、翻訳の留意点まで網羅します。東京出入国在留管理局・大阪・名古屋・札幌・仙台・広島・高松・福岡・那覇など各地方出入国在留管理局への提出方法、申請取次(行政書士)やオンライン申請の活用、標準的な審査の流れと期間の目安、入管手数料・収入印紙、行政書士報酬の相場、資格外活動許可とアルバイト上限(原則週28時間)や扶養控除・健康保険の実務も解説。さらに、不許可を避けるための注意点とよくある失敗、事実婚・離婚歴がある場合の立証、再申請や不服申立ての基本、留学生・技術・人文知識・国際業務・高度専門職のケース別ポイントまで対応します。結論として、不許可回避の鍵は「生計維持能力の客観資料の網羅」「婚姻・親子関係の実体を示す継続的証拠」「申請書・添付書類・翻訳の整合性」と「不足を先回りする補足説明書」です。本稿を読めば、初動の設計から提出直前チェックまで迷いなく進められるはずです。
1. 家族滞在ビザ申請の基本
本章では、在留資格「家族滞在」の適用範囲、対象となる家族の定義、そして申請ルート(在留資格認定・変更・更新)の選び方を、実務で重視される審査観点に沿って簡潔に整理します。制度の根拠は出入国管理及び難民認定法および出入国在留管理庁の運用に基づきます。
1.1 家族滞在の在留資格の範囲
在留資格「家族滞在」は、就労や留学などの在留活動を行う中長期在留者(扶養者)の配偶者・子が、日本で同居し扶養を受けながら生活するための在留資格です。活動の本体は扶養者側にあり、家族滞在側は「日常的な在留(生活)」が活動の中心となります。
「家族滞在」は、扶養者の在留活動を支える家族の同居・扶養を前提とし、親・兄弟姉妹などは対象外です。日本人や永住者の家族は本資格ではなく「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」など別の在留資格が検討されます。
| 扶養者の在留資格の区分 | 家族滞在の可否 | 代表例・補足 |
|---|---|---|
| 就労系の多く(例:教授、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、経営・管理、技能 など) | 可 | 生計維持能力(安定収入・扶養実態)が前提 |
| 高度専門職 | 可 | 帯同家族の受入れが制度上想定される |
| 留学 | 可 | 学費・生活費の支弁能力の実証が必要 |
| 短期滞在 | 不可 | 短期は家族滞在の対象外 |
| 日本人・永住者・永住者の配偶者等 | 不可(別区分) | 「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」等を検討 |
具体的な対象や必要手続の最新情報は、各手続案内を公表する出入国在留管理庁で必ず確認してください。
1.2 対象となる配偶者と子の定義
配偶者は、民法に基づく法律上の婚姻関係が成立している者を指します。婚姻の実在性(共同生活の継続性、婚姻費用の分担・送金実績など)を資料で立証します。内縁・事実婚は原則対象外です。
子は、扶養者との法律上の親子関係がある者(実子・養子を含む)です。親子関係の実在(出生・養子縁組の公的証明)と、同居・扶養の実態(監護・教育・生活費の負担)を示します。出生直後の呼寄せ・帯同では、出生証明や戸籍・住民登録関係書類(該当する場合)で連続性を確認されます。
審査の核心は「法的な家族関係の証明」と「同居・扶養の実態」です。名目のみの婚姻や別居前提は厳しく見られます。
1.3 申請ルートの選び方 在留資格認定 変更 更新
家族の現在地・在留状況により、次のいずれかの手続きを選択します。いずれも管轄は扶養者の居住地を所管する地方出入国在留管理局です。
| 状況 | 手続名 | 提出・受領の流れ | 申請タイミングの目安 |
|---|---|---|---|
| 海外から家族を呼び寄せる | 在留資格認定証明書交付申請(COE) | 日本の扶養者が地方出入管に申請 → COE交付 → 在外公館で査証申請 → 入国・在留カード交付 | 渡航予定の数か月前から準備 |
| 家族が日本国内に在留中で、他の在留資格から切替 | 在留資格変更許可申請 | 地方出入管に申請 → 許可後に在留カード切替 | 現行在留期限までに |
| 家族滞在で継続居住 | 在留期間更新許可申請 | 地方出入管に申請 → 許可後に在留カード更新 | 在留期限の3か月前から申請可 |
海外呼寄せは「在留資格認定」、国内の切替は「変更」、継続は「更新」が原則です。家族の現在地と在留期限から最適ルートを選び、必要書類と審査期間を逆算して準備してください。
2. 家族滞在 ビザ 申請の要件と審査ポイント
家族滞在の審査では「日本で同居し、安定して生計を維持できること」および「婚姻・親子関係が真正で継続性があること」を中心に、在留資格(在留資格認定・変更・更新)の適合性が総合的に判断されます。審査は出入国在留管理庁・各地方出入国在留管理局で行われ、提出資料の整合性・最新性・公的性が重視されます。
| 審査観点 | 具体的な確認事項 | 主な確認資料(例) |
|---|---|---|
| 生計維持能力 | 世帯人数・家賃・学費等を踏まえ、継続的に扶養できる収入・納税状況があるか | 住民税の課税証明書・納税証明書、源泉徴収票、雇用契約書、在職(在学)証明書、直近の給与明細、確定申告書控え、預金残高証明書 |
| 居住の安定 | 同居の実現可能性と十分な住居(契約者・入居予定者の記載、転入予定の時期)が確認できるか | 賃貸借契約書や社宅・宿舎の入居証明、住民票(日本にいる家族分)、理由書(同居予定の詳細) |
| 婚姻・親子関係の実体 | 偽装でない実体的な関係か、監護・扶養の実態や継続性があるか | 婚姻証明書または婚姻届受理証明書、出生証明書、離婚証明書(該当時)、親子写真・同居写真、送金記録、通信履歴、出入国記録の写し、日本語訳 |
| 扶養者の在留状況 | 在留カード記載事項の適正、就労・就学の継続、法令遵守 | 在留カード・パスポートの写し、在職証明書または在学証明書、就労資格証明書(該当時) |
2.1 扶養者の収入と生計維持能力
継続的な収入と適切な納税の実績が、家族を招へい・帯同・同居させるための中核証拠となります。雇用の安定性(契約期間・更新見込み)、手取りと固定費のバランス、世帯の扶養人数、預貯金の補完力などが総合評価されます。自営業・フリーランスは確定申告書控えや事業の実態資料、留学生は学費・生活費の支弁計画と送金実績・奨学金等で補強します。
2.1.1 課税証明書と納税証明書の確認
住民税の課税証明書(所得・課税額の記載)と納税証明書(納付状況の記載)は、直近年度分を提出します。転居・転職等で所得の変動がある場合は、最新の給与明細や雇用条件通知書で現況を補い、未申告・滞納がないことを明確化します。国税(所得税等)の納税証明が必要となるケースでは、税務署発行のものを併せて整合性を示します。
2.1.2 雇用契約書と源泉徴収票の提出
会社員等は雇用契約書(または雇用条件通知書・在職証明書)と源泉徴収票で収入の安定性を立証します。契約社員・派遣社員・パートの場合は、契約更新の実績・見込みや就労時間の実態を補足し、直近の給与明細や銀行の入金記録で継続性を示します。自営業者は確定申告書控え、納税証明書、取引の証拠(請求書・通帳の入出金)等で実収入を具体化します。
2.2 居住の安定と住民登録
同居する住居の確保と住民登録の見込み(または実績)が示されていることが重要です。賃貸借契約書には契約者名・物件の間取り・入居可能人数・同居予定者の記載(または管理会社の同意)が読み取れることが望ましく、社宅・学生寮・公的宿舎の場合は入居許可や利用規程の提示が有効です。日本にいる家族は同一世帯の住民票で確認し、海外から呼び寄せる場合は同居開始時期や転入予定日を理由書で明確にします。健康保険(協会けんぽ・健康保険組合・国民健康保険)や年金加入状況も、生活基盤の安定を補強します。
住居が転居予定の場合は、現契約・新契約の双方の計画を示し、学校在籍の子がいるときは通学先や学区の見通しを補足することで、審査の予見可能性を高められます。
2.3 婚姻と親子関係の実体立証
形式的な書類だけでなく、継続的な交際・同居・扶養の実態を示す資料が有効です。婚姻は本国機関発行の婚姻証明書、または日本での婚姻届受理証明書を基本とし、氏名・生年月日・配偶者名・発行日が明確な原本と日本語訳を提出します。親子関係は出生証明書(出生届受理証明書を含む)で立証し、監護権・親権の所在が関係する場合は判決書・同意書等で経緯を明確化します。離婚歴・死亡歴があるときは、離婚証明書・死亡証明書などの経歴書類を添付し、重婚に当たらないことを示します。
同居写真、家族での渡航・入出国記録の写し、継続的な送金記録、通話・メッセージ履歴(期間・頻度が分かる形)、結婚式・親族紹介の客観資料は、関係の継続性を補強します。外国語の書類には日本語訳(翻訳者の氏名・連絡先を記載)を添付し、発行元・発行日・原本性が確認できる状態で提出します。扶養者の在留カード記載事項の届出、在学・在職の継続性、資格外活動許可の遵守状況など、在留状況の適正も併せて確認されます。
3. 必要書類チェックリスト最新版
原則として各証明書は「発行日から3か月以内」、日本語以外の書類には「日本語訳(翻訳者の氏名・署名・連絡先を明記)」を添付します。原本・写しの指定、追加資料の要請、提出部数は管轄の出入国在留管理局の運用で異なるため、最新の様式・要件を出入国在留管理庁の申請手続案内で必ず確認してください。
3.1 扶養者が用意する書類
「生計維持能力」「居住の安定」「在留資格の適法性」を示す資料を、最新年度・最新発行のものを中心に揃えます。
| 書類名 | 発行元 | 原本/写し | 有効性・時期 | 補足・代替 |
|---|---|---|---|---|
| 住民票の写し(世帯全員・続柄記載/個人番号・住民票コード省略) | 市区町村 | 原本 | 発行3か月以内 | 世帯分離・同居状況を確認するため続柄記載が必要 |
| 住民税の課税・所得証明書(最新年度) | 市区町村 | 原本 | 最新年度/発行3か月以内 | 自治体により名称「課税・所得(課税)証明書」等の差異あり |
| 住民税の納税証明書(最新年度) | 市区町村 | 原本 | 最新年度/発行3か月以内 | 滞納の有無を確認できるもの |
| 源泉徴収票(直近) | 勤務先 | 写し可(原本提示求められる場合あり) | 直近分 | 給与明細(直近3か月)や雇用契約書と併用すると明確 |
| 雇用契約書または在職証明書 | 勤務先 | 写し可 | 直近発行 | 雇用形態・期間・給与額・勤務先連絡先の記載が望ましい |
| 個人事業主:確定申告書控(受付印付) | 本人(税務署受付) | 写し可 | 直近年度 | 売上・経費内訳や青色申告決算書の写しを添付すると有効 |
| 預金残高証明書/通帳写し | 金融機関 | 原本(通帳は写し) | 発行3か月以内 | 経費支弁能力の補強資料として任意提出 |
| 住居を示す書類(賃貸借契約書の写し等) | 貸主・不動産会社 等 | 写し | 契約有効期間内 | 同居予定人数に見合う居住スペースであることを示す |
| 扶養者の在留カード・パスポートの写し | 出入国在留管理庁/各国政府 | 写し(在留カードは両面) | 有効期限内 | 在留資格・在留期間の確認用 |
3.2 申請人が用意する書類
「本人確認」「家族関係の実体」「申請様式」を中心に、申請ルート(認定・変更・更新)に応じて揃えます。
| 書類名 | 発行元 | 原本/写し | 有効性・時期 | 補足・代替 |
|---|---|---|---|---|
| 申請書(在留資格認定証明書交付/在留資格変更許可/在留期間更新許可) | 出入国在留管理庁 | 原本 | 最新様式 | A4片面印刷、該当項目を正確に記載 |
| パスポート(顔写真頁等の写し) | 各国政府 | 写し | 有効期限内 | 顔写真頁・署名頁・入出国記録頁(該当時) |
| 写真(4cm×3cm) | — | 原本 | 撮影3か月以内 | 白背景・正面・無帽・無背景、裏面に氏名記載 |
| 婚姻関係を証する書類(婚姻証明書/婚姻届受理証明書) | 本国政府/市区町村 | 原本 | 発行3か月以内 | 日本語訳添付。再婚歴がある場合は離婚証明等を併せて提出 |
| (国内申請)住民票の写し | 市区町村 | 原本 | 発行3か月以内 | 続柄記載、個人番号は省略 |
| (国内申請)在留カードの写し | 出入国在留管理庁 | 写し(両面) | 有効期限内 | 在留資格変更・更新時に提出 |
| 任意:理由書・経費支弁説明書 | 本人作成 | 原本 | — | 経緯・同居計画・支弁方法を簡潔に説明すると有効 |
3.3 子の申請で追加される書類
親子関係と監護実態を明確に示します。出生地・在住地により発行先が異なります。
| 書類名 | 発行元 | 原本/写し | 有効性・時期 | 補足・代替 |
|---|---|---|---|---|
| 出生証明書/出生届受理証明書 | 本国政府/市区町村 | 原本 | 発行3か月以内 | 日本で出生の場合は「出生届受理証明書」や出生事項記載の住民票で代替可 |
| 親権・監護に関する書類(片親申請時) | 裁判所・行政機関 等 | 原本 | 有効なもの | 親権者指定・同意書・離婚判決書等の写しを状況に応じて提出 |
3.4 共通書類と書式の入手先
最新の様式・提出先・提出方法(窓口・郵送・オンライン)は、出入国在留管理庁の案内で更新されます。必ず最新情報を確認してください。
| 書類・書式 | 主な入手先 | 備考 |
|---|---|---|
| 各種申請書(認定・変更・更新) | 出入国在留管理庁(申請手続案内) | A4片面、黒インクで作成。写真規格は4cm×3cm |
| 婚姻・出生などの身分関係書類 | 本国の戸籍・戸籍相当機関/日本の市区町村 | 日本語訳を添付。国により書式名称が異なる |
| 在外公館での手続案内(認証等) | 外務省 在外公館一覧 | 外国公文書の真正性確認として、公印確認やアポスティーユを求められる場合があります |
共通留意点:A4サイズで提出、コピーは鮮明に。原本還付の要否は事前確認し、求められた場合は原本提示と写し提出を併用します。氏名・生年月日・続柄の記載整合性を必ず点検し、相違がある場合は理由書や証明資料で補足します。
4. 手続きの流れと審査期間
家族滞在の手続きは「海外から呼び寄せ(在留資格認定証明書交付申請)」「日本国内での在留資格変更」「在留期間の更新」の3ルートです。申請から結果までの期間は、出入国在留管理庁の標準処理期間や混雑状況、追加資料の要否で変動します。制度や最新の運用は出入国在留管理庁および各地方出入国在留管理局の案内を確認してください。オンライン対応の可否は在留手続オンラインシステムで最新情報を確認します。
| 手続き | 主な提出先 | 申請者 | 申請可能時期 | 審査期間の目安 | 次のステップ |
|---|---|---|---|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請 | 地方出入国在留管理局(日本) | 扶養者(日本在住)または取次者 | 随時 | 約1〜3か月 | 交付後に在外公館で査証申請→入国 |
| 在留資格変更許可申請 | 地方出入国在留管理局(日本) | 申請人本人(日本在住)または取次者 | 要件充足時(在留期間満了前) | 約1〜3か月 | 許可時に在留カード受領 |
| 在留期間更新許可申請 | 地方出入国在留管理局(日本) | 申請人本人(日本在住)または取次者 | 満了日の3か月前から | 数週間〜約2か月 | 許可時に新在留カード受領 |
4.1 海外からの呼び寄せ 在留資格認定証明書交付申請
流れは「書類準備→地方出入国在留管理局へ申請→審査→在留資格認定証明書(COE)交付→COEを海外の家族へ送付→在外公館で査証申請→入国・在留開始」です。窓口提出のほか、要件を満たす場合はオンライン申請も選択できます。
受理されると受付票(受付番号)が付され、審査中に追加資料の提出指示(補正・照会)がある場合があります。COEの有効期間は交付日から3か月で、原則として有効期間内に査証取得・入国が必要です。査証の審査期間は各在外公館の運用によります。入国時に「家族滞在」の在留資格が付与され、空港で在留カードが交付または後日郵送されます。
審査期間を短縮するコツは、関係立証・生計立証の資料を不足なく提出し、補正依頼に迅速に対応することです。最新の様式や案内は出入国在留管理庁で確認します。
4.2 日本国内での在留資格変更許可申請
短期滞在や他の在留資格から「家族滞在」へ変更する場合の流れは「書類準備→地方出入国在留管理局へ申請→審査→許可・不許可の決定→在留カード交付」です。在留期間満了日前に申請すれば、原則として結果が出るまで引き続き在留可能です(出入国管理上の特例による)。
短期滞在からの変更は原則困難ですが、やむを得ない事情があると認められる場合に限り許可されることがあります。審査では、婚姻・親子関係の実体、扶養者の収入・生計維持能力、同居予定の実現可能性が重点確認されます。許可時に手数料納付のうえ在留カードを受領します。
4.3 在留期間更新許可申請
有効期間の満了が近づいたら「満了日の3か月前から」更新申請が可能です。流れは「書類準備→地方出入国在留管理局へ申請→審査→許可→新在留カード受領」。在留期間満了日前に申請しておけば、結果が出るまで継続在留できます。審査では、引き続き同居・扶養の実態があるか、扶養者の納税状況や収入の安定性、居住の継続性(住民登録・賃貸契約等)が確認されます。
更新では、前回からの事情変更(転職・収入変動・住所変更・家族構成の変化)がある場合に追加資料を求められやすいため、申請前に根拠資料を整理し、変動の理由と現状を一貫した説明で提出すると審査がスムーズです。
5. 不許可を避けるための注意点とよくある失敗
家族滞在の審査は「生計維持能力」「居住の安定」「家族関係の実体」の3点が一貫して立証されているかが核心です。 書類の不足や記載不一致、事情説明の欠落が重なると不許可の典型パターンとなります。以下では実務で頻出する落とし穴と回避策を整理します。
5.1 収入不足や提出漏れの対策
単一の書類ではなく、課税・納税・雇用・入出金の複数資料を突き合わせて「継続的に家族を扶養できる」ことを示すのが基本です。給与所得者は源泉徴収票・在職証明書・直近の給与明細と課税証明書を、個人事業主は確定申告書控・事業の売上資料・納税証明書を組み合わせます。未納や延滞がある場合は完納後の証明を添付し、預貯金残高証明や家賃・光熱費の支払い実績で生活の安定も補強します。
| チェック項目 | よくある不一致・不足 | 回避策・補強資料 |
|---|---|---|
| 課税証明書・納税証明書 | 年収額が源泉徴収票と不一致/未納・分納中の記載 | 最新年度で統一し、完納後の納税証明を添付。分納中は納付計画書と履行状況を説明書に明記。 |
| 在職証明・雇用契約書 | 契約更新の有無が不明/週所定労働時間が記載なし | 契約期間・更新見込み・給与形態・所定労働時間を明記した在職証明を会社印入りで取得。 |
| 給与明細・通帳写し | 手取りと振込額が一致しない/入金が不定期 | 3〜6か月分の明細と対応する通帳記帳を提出し、手当・控除の内訳を補足。 |
| 住民票・世帯情報 | 世帯主や扶養人数が申請書と食い違い | 最新の住民票を取得し、申請書の記載を合わせる。変更が直近なら経緯説明書を添付。 |
| 住居・生活費 | 家賃が高額で収支バランスに疑義 | 賃貸借契約書、光熱費領収書、家計収支表で持続可能性を示す。預貯金残高証明で緩衝資金も提示。 |
| 個人事業主・フリーランス | 直近の売上変動で安定性に疑義 | 確定申告書控(収受印付)と納税証明、請求書・入金記録、主要取引先の概要資料を併せて提出。 |
海外発行書類は日本語訳を添付し、必要に応じて公証・アポスティーユや在外公館での認証を整えます。翻訳者名・連絡先・作成日を明記し、日付・氏名表記を全書類で統一してください。
5.2 事実婚や離婚歴がある場合の立証
婚姻の形式や家族の経歴に特殊事情があると、「偽装の疑いがないか」「監護実態はあるか」が重点確認されます。経緯・同居・生計一体性を客観資料で多面的に示しましょう。
| ケース | 必要な立証の焦点 | 有効資料の例 |
|---|---|---|
| 事実婚(婚姻未届) | 同居と共同生活の実体、婚姻未届の合理的理由 | 同一住所の住民票、賃貸借契約の同居記載、共同名義の公共料金、家計の送金記録、交際・同居の経緯説明書、家族・知人の陳述書、子の出生証明 |
| 離婚歴がある再婚 | 前婚解消の事実と時期、現在の婚姻の実体 | 戸籍謄本・婚姻証明書・離婚証明(判決書等)、新旧住所の変遷、交流履歴(写真・渡航記録)、同居開始時期の証拠 |
| 子の帯同・呼寄せ | 親権・監護権、実際の監護状況と同意 | 出生証明書、親権者同意書・公証書、監護費用の送金記録、学校在籍証明、予防接種記録、ビザ申請同意関連書面 |
| 国際遠距離期間が長い | 継続的な関係維持と将来の同居計画 | 定期的な渡航・出入国記録、通信履歴の要約、同居予定住居の契約見込み・入居計画書 |
写真やチャット履歴は枚数よりも時系列の一貫性が重要です。経緯説明書に「いつ・どこで・なぜ」を具体的に記載し、資料に通し番号を振って相互参照できるように整理しましょう。
5.3 不許可後の再申請と不服申立ての進め方
不交付・不許可後は、まず窓口で理由の説明を受け、指摘点を可視化してから再申請の設計を行うのが最短ルートです。感情的な短期再申請は避け、実体面の改善や資料の充実を伴わせます。
| 段階 | 目的 | 具体アクション | 提出・準備物 |
|---|---|---|---|
| 1. 理由の把握 | 審査で不足・不一致となった点の特定 | 不許可通知を持参し、入管窓口で説明を受けメモ化 | 不許可通知、提出済み控、質問事項リスト |
| 2. 立て直し設計 | 改善方針と必要資料の洗い出し | 収入面・関係立証・居住面のギャップ分析、上申書の骨子作成 | 改善計画メモ、チェックリスト、上申書ドラフト |
| 3. 証拠補強 | 新規事情・客観資料の追加 | 完納手続、在職証明更新、賃貸契約見直し、関係資料の時系列整理 | 最新の課税・納税・在職・通帳写し、写真・送金・通信の一覧表 |
| 4. 再申請 | 改善点を明確化して提出 | 申請書を最新情報で作成し、上申書で変更点と根拠資料を明示 | 申請一式、上申書、差替・追加資料の目録 |
法的救済の検討は個別事情に依存します。行政判断の見直しを求める場合は、再申請による実体的な補正を基本とし、司法的手続の可否は弁護士に相談してください。再申請は「新規事情」や「資料の顕著な改善」が鍵で、同内容の反復提出は避けましょう。
6. 就労や学校の可否と資格外活動許可
「家族滞在」は原則として就労不可ですが、出入国在留管理庁の資格外活動許可(包括許可)を得れば一定条件でパート・アルバイトが可能です。一方で、就学(小・中・高・大学・専門学校・日本語学校等)自体は在留資格の範囲内で制限なく行え、許可は不要です。
資格外活動許可による就労は「週28時間以内」が上限で、風俗営業等や接待行為を伴う業種は不可です。雇用主は在留カードの就労可否表示と許可の有無を確認し、シフトは通算管理が必要です。
| 活動 | 可否 | 要件・上限 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| パート・アルバイト | 条件付きで可 | 資格外活動許可が必要/週28時間以内 | 風俗営業等・接待行為は不可/在宅ワーク等も就労に該当 |
| インターンシップ | 条件付きで可 | 有給は資格外活動許可が必要/無償でも労働性があれば許可要 | 受入先の業務内容と時間管理を明確化 |
| 就学(学校等) | 可 | 許可不要 | 学生としての校内アルバイトも許可範囲内で時間管理が必要 |
| ボランティア | 可 | 無償・報酬なしに限る | 交通費等の実費精算を超える支給は報酬扱いに注意 |
6.1 アルバイトの上限時間と申請方法
上限は「週28時間以内(1週間の通算)」。深夜・複数事業所・在宅を含む全ての労働を合算します。学期・長期休暇による上限緩和は「留学」のみの取扱いであり、「家族滞在」には適用されません。風俗営業等に該当する店舗や接待行為を伴う飲食店での就労はできません。
| 項目 | 要点 |
|---|---|
| 申請タイミング | 在留資格認定・変更・更新と同時、または在留中に単独申請 |
| 提出先 | 各地方出入国在留管理局・支局・出張所 |
| 主な提出書類 | 資格外活動許可申請書、在留カード、パスポート、就労内容が分かる資料(雇用予定・業務概要等) |
| 手数料 | 無料 |
| 結果の確認 | 許可後、在留カード裏面に「資格外活動許可」欄が記載 |
| 更新時の注意 | 在留期間更新後は改めて許可の有効性を確認(在留カードの記載を要チェック) |
| 雇用主の対応 | 在留カード・許可の写し取得、週28時間のシフト管理、源泉徴収と社会保険の適正手続 |
月内の週またぎや複数アルバイトの合算超過は不許可や更新審査で不利となるため、自己管理(勤務記録・カレンダー)と雇用主間の情報共有が重要です。
6.2 扶養控除や健康保険の手続き
家族滞在でアルバイト収入が生じると、税の扶養(配偶者控除・扶養控除)や健康保険の被扶養者認定に影響します。基準は年収額や仕送り・生計維持関係、就労実態等で判断され、勤務先の年末調整やご自身の確定申告での申告が必要となる場合があります。
| 制度 | 手続窓口 | 主な提出書類 | 留意点 |
|---|---|---|---|
| 税の扶養(配偶者控除・扶養控除) | 勤め先(年末調整)/所轄税務署(確定申告) | 扶養控除等(異動)申告書、源泉徴収票、続柄確認資料(戸籍・家族関係証明等) | 年間所得金額により控除の適用可否が変動。非居住者や留学経験等の取扱いは別途確認 |
| 健康保険の被扶養者 | 勤務先経由で加入中の健康保険組合・協会けんぽ | 被扶養者(異動)届、収入確認資料、在留カード・住民票 | 収入基準や同居・仕送りの有無で判定。基準超過時は国民健康保険への加入が必要 |
| 国民健康保険 | 居住地の市区町村役所 | 在留カード、住民票、マイナンバー、収入・世帯状況の証明 | 就職・離職・被扶養者認定の喪失等の異動時は速やかに手続 |
被扶養者の認定や税の扶養は、同一年内の就労時間や収入見込みで判断が変わります。雇用契約・シフト・源泉徴収票の整備と、年末調整前の見込額確認を行い、必要に応じて会社の人事・労務担当や税理士・行政書士に相談してください。
7. 申請先と提出方法
家族滞在ビザの各種手続(在留資格認定・変更・更新)は、原則として「住居地を管轄する」地方出入国在留管理局・支局・出張所の窓口またはオンラインで行います。手続種別ごとの提出先・提出者・受取方法の違いを確認し、管轄・受付方法・必要書類の原本提示有無を事前にチェックしてください。最新の管轄・窓口情報は出入国在留管理庁(ISA)公式サイトで確認できます。
| 手続名 | 主な提出者 | 申請先(管轄) | 本人出頭 | 交付・受取 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請(海外からの呼び寄せ) | 日本在住の扶養者(招へい人)/ 取次者 | 扶養者の住居地を管轄する地方局・支局・出張所 | 不要(申請時) | 窓口受領が原則(庁舎により郵送返送対応あり) | 交付後、海外の申請人が在外公館で査証申請 |
| 在留資格変更許可申請(国内での変更) | 申請人本人 / 取次者 | 申請人の住居地を管轄する地方局・支局・出張所 | 状況により必要 | 許可時に手数料(収入印紙)納付、在留カード受領 | 原本提示が求められる書類あり |
| 在留期間更新許可申請(延長) | 申請人本人 / 取次者 | 申請人の住居地を管轄する地方局・支局・出張所 | 状況により必要 | 許可時に手数料(収入印紙)納付、在留カード更新 | 混雑期は早めの申請推奨 |
窓口受付日は原則平日で、受付時間・取扱業務は庁舎ごとに異なります。番号制・事前予約制を導入する庁舎があり、繁忙期(新年度・長期休暇前後)は待ち時間が長くなる傾向です。支局・出張所では一部手続を取り扱わない場合があるため、訪問前に取扱可否を確認してください。
7.1 出入国在留管理庁と各地方出入国在留管理局
家族滞在の申請先は、全国の地方出入国在留管理局(地域ブロックの「地方局」)とその配下の支局・出張所です。提出先の基本は「現在の住居地(COEは扶養者の住居地)を管轄する窓口」です。管轄外の庁舎では受理されない場合があります。
在留カードが交付される手続(変更・更新など)の許可受領は、原則として申請人本人の出頭が必要です。一方、在留資格認定証明書(COE)の受領は、扶養者や取次者が行うのが一般的です。
7.1.1 東京出入国在留管理局と大阪出入国在留管理局
東京局・大阪局は取扱件数が非常に多く、繁忙期の待ち時間が長くなりがちです。可能であれば所管の支局・出張所の利用を検討してください。支局・出張所では一部業務(交付・在留カード関連等)が本局限定のことがあるため、来庁先の取扱範囲を必ず確認しましょう。
7.1.2 名古屋 札幌 仙台 広島 高松 福岡 那覇
各地方局はそれぞれの地域ブロックを所管し、周辺に支局・出張所を配置しています。窓口ごとに受付時間、予約要否、取扱手続が異なります。家族滞在に関する提出は、住居地を所管する窓口を選び、必要に応じて原本と写しを併せて持参してください。
7.2 行政書士の申請取次とオンライン申請
「申請取次行政書士」などの取次者がいる場合、委任状と取次者の届出済証明書により、本人の出頭を省略して申請書提出・補正対応が可能です。ただし、本人確認や在留カード交付が伴う場面では本人出頭が求められることがあります。
在留申請オンラインシステムの対象手続では、事前の利用者情報登録と電子署名等によりオンライン提出が可能です(取次者経由のオンラインも可)。オンライン提出であっても、許可後の手数料納付や在留カード受領は原則として窓口での手続が必要です。システムの対象範囲・必要環境・添付書類の要件は最新の公式情報を確認してください(参照:出入国在留管理庁 公式サイト)。
8. 費用と期間の目安
家族滞在の費用は「入管への手数料(収入印紙)」と「実費・専門家報酬」に大別され、審査期間はルートにより概ね1〜3か月が目安です。
| 申請ルート | 標準的な審査期間の目安 | 繁忙期の目安 | 留意点 |
|---|---|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請(海外からの呼び寄せ) | 1〜3か月 | 3か月超のこともあり | 補正・追加資料が出ると延びる |
| 在留資格変更許可申請(日本国内での変更) | 1〜3か月 | 3か月超のこともあり | 就労状況や生計要件の確認に時間を要する場合あり |
| 在留期間更新許可申請 | 2週間〜1.5か月 | 1.5〜2か月 | 更新は早めの申請が安全 |
審査は個別事情・提出資料の充実度・繁忙期の混雑で変動します。余裕を持ったスケジュールで準備しましょう。
8.1 入管手数料と収入印紙代
入管の許可時に納付する手数料は収入印紙で納付します(現金不可)。申請ルートごとの目安は次のとおりです。
| 手続 | 手数料(税込) | 納付方法 | 納付のタイミング | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請 | 無料 | — | — | COE自体は手数料不要 |
| 在留資格変更許可申請 | 6,000円 | 収入印紙 | 許可時 | 結果交付の際に貼付 |
| 在留期間更新許可申請 | 6,000円 | 収入印紙 | 許可時 | 結果交付の際に貼付 |
| 査証料(海外の在外公館で支払) | 国・在外公館により異なる | 現地通貨 | 査証申請時 | 一部国は免除や減額あり。各在外公館の案内を要確認 |
上記以外に、住民票や戸籍証明書などの公的証明書発行手数料、郵送費、外国語書類の翻訳費などの実費が発生します(自治体・業者により金額は異なる)。
8.2 行政書士報酬の相場
行政書士へ依頼する場合の報酬は、申請ルート・難易度・人数(配偶者+子等)・翻訳要否で変動します。次は相場の目安です。
| 業務内容 | 想定範囲 | 報酬相場(税別) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 在留資格認定証明書(家族滞在) | 配偶者・子の呼び寄せ一式 | 6万〜12万円 | 人数追加や翻訳は加算が一般的 |
| 在留資格変更許可 | 他在留資格→家族滞在 | 6万〜12万円 | 収入・婚姻実体の立証強化で増額あり |
| 在留期間更新許可 | 家族滞在の更新 | 4万〜6万円 | 軽微な変更対応や同行は別途 |
報酬は着手金・成功報酬・実費の取り扱いが事務所により異なるため、見積書で内訳(手数料・収入印紙・翻訳・郵送・同行等)を必ず確認しましょう。
9. ケース別のポイント
主たる在留資格や家族構成によって、家族滞在の審査で重視される資料と説明の切り口が変わります。以下は「留学」「技術・人文知識・国際業務」「高度専門職」のケース別に、立証の勘所を簡潔に整理したものです。
| ステータス | 主な審査着眼点 | 収入立証の主力 | 配偶者の就労 | よくある追加資料 |
|---|---|---|---|---|
| 留学 | 授業・研究継続性、生計維持の実現性、居住の安定 | 奨学金給付、仕送りの送金記録、預貯金残高、学費納付実績 | 家族滞在のみでは不可/資格外活動許可で週28時間以内 | 在学証明書、時間割、奨学金決定通知、送金証明、通帳コピー |
| 技術・人文知識・国際業務 | 安定した給与と雇用継続、住居規模、扶養実態 | 源泉徴収票、課税・納税証明書、雇用契約書、給与明細 | 家族滞在のみでは不可/資格外活動許可で週28時間以内 | 就労先の在職証明、社会保険加入証明、賃貸契約書、住民票 |
| 高度専門職 | ポイント基準の維持、世帯の帯同計画、長期安定性 | 高収入の客観資料、職務内容、研究・実績資料 | 家族滞在のみでは不可/資格外活動許可で週28時間以内。配偶者は就労系在留資格や所定の特定活動でフルタイム可 | ポイント計算関係資料、受賞・学術実績、雇用契約の写し |
9.1 留学生の家族滞在
9.1.1 生計維持の立証
主たる扶養者が「留学」の場合は、奨学金、親族からの仕送り、預貯金、学費納付状況を組み合わせて生活費を説明します。仕送りは継続的な送金記録と送金者の収入根拠をそろえ、預貯金は学費・家賃・生活費を一定期間賄える残高を示します。アルバイト収入は不安定とみられやすいため、それのみで生計維持能力を説明しないことが重要です。
9.1.2 書類の要点
在学証明書、時間割、成績証明または出席状況、授業料の納付証明、奨学金給付決定通知、送金証明(海外送金票等)、通帳コピー、住民票、賃貸借契約書を整合性ある形で提出します。配偶者・子の旅券、戸籍・婚姻証明の公的書類は日本語訳を添付します。
9.1.3 よくあるリスクと対策
・学業継続性への疑義(出席不良・学費未納)には、改善状況の説明と次学期の納付計画を明示します。
・短期的な借入だけで残高を増やす対応は避け、継続的な資金計画を示します。
住居が未確定のまま呼び寄せを進めると不許可リスクが高まるため、入居予定の契約書や間取り、世帯人数に見合う居住実態を先行手配します。
9.2 技術・人文知識・国際業務の家族滞在
9.2.1 収入と住居の実体
扶養者の給与水準と安定性を、源泉徴収票、課税・納税証明書、雇用契約書、直近の給与明細で立証します。転職直後などで源泉徴収票が不足する場合は、内定通知・雇用契約・給与見込証明を補強します。住居は世帯人数に見合う規模で、賃貸借契約書・間取り図・住民票で同居実態を示します。
9.2.2 渡航タイミングと家族関係の実体
長期出張や単身赴任の予定がある場合は、呼び寄せの時期や一時的な別居理由・連絡手段・生活費負担方法を具体的に記載します。婚姻の実体は、婚姻証明、公的な婚姻届受理証明、日本での同居・送金・交流の記録などで補強します。提出資料の住所・氏名・期間は全書類で整合させ、記載ずれをなくします。
9.2.3 書類のコツ
・社会保険加入、源泉徴収の状況を明示して安定性を示す。
・企業の在職証明や人事担当の連絡先を付し、雇用継続性の照会に備える。
・更新時は過去の在留期間中の納税・年金・健康保険の履行状況を欠かさず提出。
9.3 高度専門職の家族滞在
9.3.1 優遇措置の活用
高度専門職1号・2号の帯同では、ポイント適合性の維持や長期在留の見通しが重視されます。家族滞在の配偶者・子は原則就労不可のため、フルタイム就労は就労系在留資格への変更または所定の特定活動(高度人材の配偶者の就労)で対応します。家族滞在のままの無許可就労は不許可や在留不良事由につながるため厳禁です。
9.3.2 提出書類の留意点
ポイント計算関係資料(学歴・職歴・年収・研究実績等)、雇用契約書、課税・納税証明書、源泉徴収票を最新化し、扶養者の地位の安定を明快に示します。居住計画は世帯人数拡大を前提に、住居の広さ・契約条件・通勤通学動線まで具体化します。
9.3.3 実務上の注意
・2号への移行や在留期間更新の時期と呼び寄せの申請時期を調整し、審査期間の重複を避ける。
・家族構成の変動(出産・進学・転居)は速やかに住民登録や在留カード記載事項と一致させる。
・配偶者のフルタイム就労予定がある場合は、求人内定通知・職務内容・勤務条件など就労適法性の根拠を事前に準備。
10. よくある質問
10.1 家族滞在で就労はできますか?
家族滞在では原則として就労はできませんが、「資格外活動許可」を受ければ、風俗営業等を除き週28時間以内でアルバイト等が可能です。許可を受けずに働くと在留資格取消し等の重大な不利益につながるため、必ず許可取得後に就労を開始してください。
10.1.1 申請方法と必要書類
最寄りの地方出入国在留管理局で「資格外活動許可申請」を行います。申請書・在留カード・旅券・就労内容の説明資料などを準備します。詳細は出入国在留管理庁の手続案内をご確認ください(出入国在留管理庁 申請手続)。
10.2 必要書類の日本語訳は必要ですか?
外国語の公的書類(婚姻証明書、出生証明書等)は、日本語訳の添付が必要です。翻訳には翻訳者の氏名・作成日を明記し、原本(または公的な写し)と対にして提出します。
10.2.1 翻訳の形式
様式の指定はありませんが、原文の項目順に忠実に訳し、略語や固有名詞は注記を添えるなど、審査で読みやすい形に整えます。案内は公式サイトを参照してください(出入国在留管理庁)。
10.3 収入要件に明確な基準はありますか?
公表された固定の金額基準はなく、扶養者の安定した生計維持能力を総合的に審査されます。直近の課税(所得)証明書・納税証明書、源泉徴収票、雇用契約書や在職証明、給与明細などで継続的な収入を具体的に立証することが重要です。
10.4 在留資格認定証明書・変更・更新の違いは?
申請ルートは申請人の所在や現在の在留状況で異なります。概要は次のとおりです。
| 手続 | 主な対象 | 提出先・結果 | 最終手続 |
|---|---|---|---|
| 在留資格認定証明書(COE) | 海外から家族を呼び寄せ | 日本の地方出入国在留管理局でCOE交付 | 在外日本大使館・総領事館で査証申請→入国時に上陸許可 |
| 在留資格変更許可 | 日本在留中に他の在留資格から家族滞在へ変更 | 地方出入国在留管理局で審査・許可 | 許可後に在留カードの新資格へ切替 |
| 在留期間更新許可 | 家族滞在を継続して在留 | 地方出入国在留管理局で審査・許可 | 許可後に在留カードの有効期間更新 |
10.5 審査期間はどのくらいかかりますか?
審査期間は時期や案件の内容、提出資料の充実度により変動します。余裕をもって早めに着手し、最新の案内を確認してください(出入国在留管理庁 申請手続)。
10.6 不許可になった場合の対応は?
結果通知書を持参して窓口で不許可理由の説明を受け、指摘点(収入立証の不足、関係の実体説明の不足、書類不備など)を補強してから再申請するのが一般的です。再申請時は不足資料の追加や事情説明書の提出で「審査ポイント」を明確に補うことが重要です。
10.7 申請人と扶養者は同居が必要ですか?
家族滞在は「家族としての共同生活」を前提とするため、原則は同居です。やむを得ない別居(単身赴任・就学等)の場合は、期間・頻度・生活費負担等の具体的事情を説明し、往来の記録や送金記録などで実体を補強します。
10.8 子どもの就学・保育は可能ですか?
在留カードの交付と住民登録後、教育委員会や市区町村窓口で手続きを進めます。必要となる書類や時期は自治体により異なるため、入国・転入後できるだけ早く窓口へ相談してください。
10.9 扶養者が転職・退職した場合の影響は?
生計維持能力が審査対象のため、更新や変更の際に新たな収入資料(在職証明・雇用契約書・課税証明書等)の提出が必要になります。状況により在留継続への影響があり得るため、雇用状況が大きく変わったときは早めに必要資料を整備し、手続案内を確認してください(出入国在留管理庁)。
10.10 オンライン申請は利用できますか?
一部の手続は「在留申請オンラインシステム」での申請が可能です。対象手続や利用要件(申請者本人・代理人・申請取次者の可否、事前登録等)は制度の運用により変わるため、最新情報を必ず確認してください(在留申請オンラインシステム)。
10.11 どこに申請すればよいですか?
申請人の居住地を管轄する地方出入国在留管理局・支局・出張所に申請します。窓口や受付時間、必要書類は管轄により異なる場合があるため、事前確認をおすすめします(案内:出入国在留管理庁 申請手続)。
11. まとめ
家族滞在の申請は、対象が「配偶者・子」に限定され、在留資格認定・在留資格変更・在留期間更新の3ルートから選ぶのが基本です。結論として、状況に合った申請ルートの選択と、要件を裏づける資料の精度が結果を左右します。
審査の核心は「生計維持能力」と「婚姻・親子関係の実体」です。日本での生活の安定性と関係の真実性が重視されるため、課税(所得)証明書・納税証明書、雇用契約書・在職証明書・源泉徴収票、住民票や住居の契約関係などで継続性と実在性を示し、公的な婚姻・出生の証明で関係を明確化することが結論です。
必要書類は扶養者・申請人・子で異なります。最新の書式は出入国在留管理庁の公式サイトまたは各地方出入国在留管理局で入手し、最新版の様式を用いること、日本語訳の要否を事前に確認することが提出ミス防止の近道です。
手続きの流れは、海外呼び寄せなら在留資格認定証明書交付→在外公館での査証申請→上陸、国内は在留資格変更、更新は在留期限前の申請が原則です。審査期間は内容や時期で変動するため、余裕ある計画と期限管理が結論です。
不許可の典型要因は収入不足、関係立証不足、提出漏れです。対策として、収入の裏づけ強化、関係の公的証明・補足資料の整備、理由書で状況を簡潔かつ一貫して説明することが有効です。不許可後は通知内容を踏まえ不足を補い、再申請を検討し、専門家に相談するのが安全です。
活動範囲は原則就労不可ですが、資格外活動許可を得れば週28時間以内の就労が可能です。通学は可能で、扶養控除や健康保険の手続きは勤務先の健康保険組合や市区町村で確認するのが確実です。
申請先は出入国在留管理庁の各地方出入国在留管理局(東京出入国在留管理局・大阪出入国在留管理局ほか)です。行政書士(申請取次者)の活用やオンライン申請により、提出漏れの予防と手続きの円滑化が期待できます。
費用は許可時に収入印紙で納付するのが原則で、行政書士報酬は事案の難易度や翻訳の有無、人数で変動します。早期に見積もりとスケジュールを確定することで、時間とコストのリスクを抑えられます。
留学生・技術・人文知識・国際業務・高度専門職などのケースでは、扶養者の在留状況と収入の安定性、同居計画の具体性が審査に影響します。結論として、扶養者の活動実態と継続的な収入を明確に示すことが最重要です。
最短で確実に許可を得る鍵は、公式情報の確認と計画的な準備にあります。出入国在留管理庁および外務省在外公館の最新案内を参照し、個別事情がある場合は早めに行政書士へ相談することを強く推奨します。