
日本への入国は目的や在留資格により手順と必要書類が変わります。本ガイドは「外国人 入国手続き」を初めて調べる方から、受入企業の人事・総務、留学生の担当者まで、2026年時点の実務フローを、出入国管理及び難民認定法と出入国在留管理庁の公表手順に沿って体系化。用語(在留資格/査証〔ビザ〕/上陸許可/在留カード)の違い、COE(在留資格認定証明書)と査証の関係、技術・人文知識・国際業務や高度専門職、特定技能、留学、短期滞在、日本人の配偶者等・家族滞在など在留資格の選び方と要件を整理します。さらに、COEの申請主体と受入機関、代理申請の可否、招聘理由書・身元保証書・事業計画など必要書類、審査期間の目安と不備対応、交付後の有効期限の扱い、在外公館での査証申請(予約、提出物、申請料)、eVISAの対象と申請の流れ、マルチプル/シングルの違いまで、実務に即して解説します。
入国時は、携行書類チェックリスト、指紋・顔写真採取や自動化ゲートのポイント、上陸特別許可が関わるケースを押さえ、入国後は在留カードの確認、14日以内の住居地の届出、市区町村での住民登録とマイナンバー、健康保険(国民健康保険・社会保険)と年金(国民年金・厚生年金)の加入、銀行口座開設と税務・給与(源泉徴収)の手続き、賃貸契約・火災保険・保証会社、運転免許の切替、子どもの入学と予防接種まで網羅。在留期間更新・在留資格変更、資格外活動許可、就労資格証明書、再入国許可・みなし再入国の実務や、Visit Japan Webの運用、特定技能分野の見直し、技能実習から育成就労への移行状況といった2026年の最新動向も反映。結論として、最短で確実に手続きを進める鍵は、目的に合う在留資格の選定と根拠資料の整備、COEと査証の有効期限管理、上陸審査の携行書類準備、入国後14日以内の届出と社会保険加入、更新時期と再入国の管理を時系列のチェックリストで逆算することにあります。
1. 外国人の入国手続きを理解するための基本
日本への入国では、出国国での査証(ビザ)取得、到着空港での上陸審査、入国後の在留管理という3つの局面に分かれます。「査証」と「上陸許可」は別の手続であり、在留中に何ができるかは「在留資格」で決まるという構造をまず理解することが重要です。 制度全体は出入国在留管理庁(旧入国管理局)が所管し、査証は外務省が所管します(出入国在留管理庁/外務省 査証(ビザ))。
1.1 用語の整理 在留資格 査証 上陸許可 在留カード
同じ「入国」でも、使われる用語は役割と発給主体が異なります。以下で相違点を俯瞰します。
| 用語 | 定義 | 所管・発給主体 | 主な形態・確認物 | 効力が及ぶ場面 |
|---|---|---|---|---|
| 在留資格 | 日本で行える活動・身分に応じた法的地位。就労可否や在留期間等の枠組みを定める。 | 出入国在留管理庁(上陸許可時に付与、以後は在留手続で管理) | 旅券の上陸許可記載・在留カードに記載 | 入国後の在留中(活動内容と期間の根拠) |
| 査証(ビザ) | 日本への渡航・上陸申請を可能にする事前審査の証印。 | 外務省(在外公館) | 旅券への貼付または電子査証(eVISA) | 出国前〜入国時の上陸申請まで |
| 上陸許可 | 入国港で審査官が行う最終許可。許可と同時に在留資格・在留期間が決まる。 | 出入国在留管理庁(空港・港の審査官) | 旅券の上陸許可証印・在留カード交付 | 日本への入国時 |
| 在留カード | 中長期在留者に交付される本人確認兼在留資格等の公的カード。 | 出入国在留管理庁 | ICカード(氏名・在留資格・在留期間・就労可否等を記載) | 入国後の在留中(雇用・賃貸・各種行政手続で提示) |
1.1.1 在留資格
在留資格は、日本で行う活動(例:技術・人文知識・国際業務、留学、短期滞在など)や身分関係(例:永住者、日本人の配偶者等)ごとに区分された法的地位です。在留資格は「働けるか」「どの業務が可能か」「どれくらいの期間いられるか」を決める基準であり、資格ごとの要件に合致することが常に必要です。
1.1.2 査証(ビザ)
査証は在外公館が行う事前審査の結果で、旅券に貼付(または電子化)されます。査証があっても入国が自動的に認められるわけではなく、到着時の上陸審査で最終判断が行われます。国・地域や目的により査証免除の場合もあります(詳細は外務省の案内を参照:外務省 査証(ビザ))。
1.1.3 上陸許可
上陸許可は入国港での審査により与えられる最終許可で、この時点で在留資格と在留期間が定まります。空港での上陸許可が、実際に日本で滞在・活動を開始できるかを確定させる決定点です。
1.1.4 在留カード
中長期在留者には原則として入国時に在留カードが交付され(対象港以外では後日交付の案内となることがあります)、以後の雇用手続や行政手続で本人確認・在留資格等の確認に用いられます。記載事項に変更が生じた場合は所定の届出が必要です(制度案内:出入国在留管理庁)。
1.2 関連法令 出入国管理及び難民認定法
日本の入国・在留の根拠法は「出入国管理及び難民認定法(入管法)」です。同法は在留資格の類型、上陸基準、在留期間、就労可否、届出義務、退去強制手続までを包括的に定めています。制度運用は出入国在留管理庁が所管し、査証制度は外務省の所管です(制度全体:出入国在留管理庁/査証制度:外務省 査証(ビザ)/法令本文はe-Gov法令検索を参照:e-Gov法令検索)。
2. 在留資格の選び方と要件
日本で行う予定の活動内容に最も合致する在留資格を選ぶことが審査の出発点です。根拠は出入国管理及び難民認定法で、活動類型(就労・非就労・身分)、雇用契約の有無、学歴・実務経験、技能水準、日本語能力、家族帯同の可否、在留期間の指定などが判断材料になります。最新の運用は出入国在留管理庁の公表資料を確認してください。
| 目的・活動 | 代表的な在留資格 | 選定時の留意点 |
|---|---|---|
| 専門分野の就労 | 技術・人文知識・国際業務/高度専門職 | 職務内容と学歴・実務経験の関連性、報酬の相当性、雇用契約の実在性 |
| 熟練・特定産業での就労 | 特定技能 | 技能測定試験・日本語能力、受入機関の体制、支援計画 |
| 就学・研修・短期滞在 | 留学/文化活動/短期滞在 | 報酬の有無、活動期間、資格外活動許可の要否 |
| 家族・身分に基づく滞在 | 永住者/日本人の配偶者等/永住者の配偶者等/家族滞在 | 実体ある身分関係、同居・生計維持、主たる扶養者の在留状況 |
就労の可否と家族帯同の可否は実務上の重要な分岐点です。該当が曖昧な場合は、上陸許可前に受入機関と要件適合性(職務記述書、学歴・経歴証明)を精査しましょう。
2.1 就労系
日本で収入を得る活動を主目的とする類型です。雇用契約書、職務記述書、源泉徴収・社会保険加入見込みなどの実体資料が重視されます。
2.1.1 技術・人文知識・国際業務
理工系・文系の専門業務や語学・国際取引などの業務に従事する場合の代表的な在留資格です。
| 観点 | 要点 |
|---|---|
| 主な対象活動 | システム開発、機械設計、企画・経理・法務、翻訳・通訳、海外営業などの専門/技術・国際業務 |
| 主な要件 | 業務と関連する学歴(通常は学士以上)または相当の実務経験(目安10年等)、日本人と同等以上の報酬、適正な雇用契約 |
| 在留期間 | 法務大臣が個別指定(例:5年/3年/1年/3月) |
| 就労可否・制限 | 就労可(許可された専門業務の範囲内) |
| 審査の着眼点 | 職務の専門性と学歴・経験の整合性、常勤性、配置転換時の業務適合性 |
2.1.2 高度専門職
ポイント制で一定点数以上の高度人材を対象とし、在留特典が付与されます。
| 観点 | 要点 |
|---|---|
| 主な対象活動 | 高度学術研究・高度専門・高度経営管理等 |
| 主な要件 | ポイント制基準の充足(学歴、年収、実務経験、研究実績等の総合評価)、適正な受入機関 |
| 在留期間 | 1号は原則5年、2号は広範な活動が可能で在留期間は無期限相当 |
| 就労可否・制限 | 就労可(許容活動の範囲が広い。配偶者の就労も所定の範囲で可) |
| 特典の例 | 在留手続の優先処理、家族帯同の拡大、永住許可要件の緩和 等 |
2.1.3 特定技能
人手不足分野で一定の技能水準・日本語能力を満たす外国人が就労できる制度です(詳細は特定技能制度(出入国在留管理庁)参照)。
| 観点 | 要点 |
|---|---|
| 主な対象活動 | 介護、宿泊、外食、製造業分野など所定の産業分野での現業・サービス業務 |
| 主な要件 | 技能測定試験・日本語試験の合格、受入機関の支援体制、適正な労働条件 |
| 在留期間 | 1号:通算5年まで/2号:更新上限なし(対象分野のみ) |
| 就労可否・制限 | 就労可(分野・職務範囲に限定) |
| 家族帯同 | 1号:原則不可/2号:要件により可 |
2.2 非就労系
報酬を受ける活動を主目的としない類型です。報酬の有無と活動内容の非営利性が重要です。
2.2.1 留学
大学・専門学校・日本語教育機関などで就学するための在留資格です。
| 観点 | 要点 |
|---|---|
| 主な対象活動 | 学校教育法に基づく教育機関等での就学 |
| 主な要件 | 在学許可、学費・生活費の資力、出席見込み |
| 在留期間 | 在学期間に応じて個別指定 |
| 就労可否・制限 | 不可(資格外活動許可があれば原則週28時間以内のアルバイト可) |
2.2.2 文化活動
報酬を受けない学術・芸術などの文化活動を行う場合の在留資格です。
| 観点 | 要点 |
|---|---|
| 主な対象活動 | 日本文化・芸術の研究、個人的な無報酬の研修・創作 |
| 主な要件 | 活動計画の明確性、生活資金の裏付け、受入先(あれば)の実在性 |
| 在留期間 | 活動内容に応じて個別指定 |
| 就労可否・制限 | 不可(報酬受領は原則不可。資格外活動許可の範囲内のみ可) |
2.2.3 短期滞在
観光、親族訪問、商用の短期間の滞在に用います。
| 観点 | 要点 |
|---|---|
| 主な対象活動 | 観光、会議出席、商談、親族・知人訪問等の短期活動 |
| 主な要件 | 短期で完結する活動計画、帰国意思・旅費の資力、滞在先の明示 |
| 在留期間 | 90日以内(15日/30日/90日の別) |
| 就労可否・制限 | 不可(報酬を受ける活動は不可) |
2.3 身分系
日本人や永住者等との身分・地位に基づく在留資格で、活動内容の制限が緩やかです。
2.3.1 永住者
日本での在留を無期限で認める在留資格です(許可要件は別途の永住許可審査に基づきます)。
| 観点 | 要点 |
|---|---|
| 主な要件 | 素行善良、独立生計、納税・社会保険の適正、公益適合等(原則として継続在留年数などの基準あり) |
| 在留期間 | 無期限 |
| 就労可否・制限 | 就労可(制限なし) |
2.3.2 日本人の配偶者等
日本人の配偶者、実子等が対象です。
| 観点 | 要点 |
|---|---|
| 主な対象 | 日本人の配偶者、実子、特別養子 |
| 主な要件 | 実体ある婚姻・親子関係、同居・生計維持、身元保証人 |
| 在留期間 | 個別指定(例:5年/3年/1年 等) |
| 就労可否・制限 | 就労可(制限なし) |
2.3.3 永住者の配偶者等
永住者または特別永住者の配偶者・実子等が対象です。
| 観点 | 要点 |
|---|---|
| 主な対象 | 永住者・特別永住者の配偶者、実子 |
| 主な要件 | 実体ある身分関係、同居・生計維持、身元保証人 |
| 在留期間 | 個別指定(例:5年/3年/1年 等) |
| 就労可否・制限 | 就労可(制限なし) |
2.3.4 家族滞在
就労系・留学等の在留資格を持つ者の扶養を受ける配偶者・子が対象です。
| 観点 | 要点 |
|---|---|
| 主な対象 | 主たる在留者(例:技術・人文知識・国際業務、特定技能、留学)の配偶者・子 |
| 主な要件 | 扶養関係の実在、主たる生計維持能力、同居予定 |
| 在留期間 | 主たる在留者の在留期間に連動して個別指定 |
| 就労可否・制限 | 不可(資格外活動許可により原則週28時間以内の就労が可能) |
いずれの類型でも、審査では資料の整合性・継続性が重視されます。職務内容、在籍・生計、家族関係の実体を客観的資料で明確に示すことが選定・許可の近道です。
3. 在留資格認定証明書の取得手順
在留資格認定証明書(Certificate of Eligibility、COE)は、上陸前に外国人が予定する在留資格の要件を満たしていることを日本側で確認する制度で、地方出入国在留管理局への申請により交付されます。制度の根拠は出入国管理及び難民認定法にあり、最新情報は出入国在留管理庁の案内を必ず確認してください(出入国在留管理庁/出入国管理及び難民認定法)。
COEは査証(ビザ)取得と上陸審査を円滑にする前提資料であり、交付自体は入国や就労を保証するものではありません。 査証申請・発給は在外公館(日本大使館・総領事館)が所管します(外務省|査証(ビザ))。
実務では、以下の流れで進めると漏れがありません。
| Step | 主体 | 手続き内容 | 提出先 | チェックポイント |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 受入機関・代理人 | 在留資格の選定・要件確認 | — | 職務内容/学歴・経歴・報酬等が該当在留資格に適合するかを精査 |
| 2 | 受入機関・本人 | 必要書類の収集・作成(招聘理由書・身元保証書ほか) | — | 原本・写しの別、翻訳、アポスティーユ等の公証要否を確認 |
| 3 | 受入機関・取次者 | COE申請(窓口・郵送・在留申請オンラインシステム) | 地方出入国在留管理局 | 申請書様式・記載不備・押印/署名漏れを防止 |
| 4 | 出入国在留管理庁 | 審査(照会・追加資料提出依頼への対応) | — | 期限内に補正・疎明資料を提出し整合性を担保 |
| 5 | 受入機関 | COE交付の受領・本人へ送付 | 地方出入国在留管理局 | 原本または指定形式で送付し査証申請に備える |
3.1 申請人 受入機関 代理申請の可否
3.1.1 申請主体の原則
海外在住の本人に代わり、日本側の受入機関(企業・大学等)や日本にいる親族が申請主体となるのが実務上の原則です。就労・留学等の場合は受入機関が、家族滞在等では扶養者が中心となって手続きを進めます。
3.1.2 代理申請の範囲
法務大臣への届出を行った申請取次者(申請取次行政書士など)は、本人の出頭に代えてCOE申請を取り次ぐことが可能です。取次資格の有無は受任前に確認し、委任状・取次者証票等を整えて申請します。
3.1.3 申請先と提出方法
申請先は管轄する地方出入国在留管理局です。提出は窓口・郵送のほか、要件を満たす受入機関は在留申請オンラインシステムを利用できます。提出方法ごとの必要書式・同封物・受付時間を事前に確認し、返送用封筒等の指定がある場合は指示に従います。
3.2 必要書類 招聘理由書 身元保証書 事業計画
3.2.1 共通書類(代表例)
| 書類 | 作成主体 | 要点 |
|---|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請書 | 受入機関・本人 | 在留資格区分に合致した様式・記載 |
| 写真(所定サイズ) | 本人 | 撮影時期・背景・サイズ規格を遵守 |
| 招聘理由書 | 受入機関 | 活動内容・必要性・期間・報酬等を具体的に記載 |
| 身元保証書 | 受入機関等 | 滞在費・帰国旅費・法令遵守の保証範囲を明記 |
| 受入機関の概要資料 | 受入機関 | 登記事項証明書、会社案内、決算書等で実体を疎明 |
| 学歴・職歴・資格の証明 | 本人 | 卒業証明、職務証明、資格免許の写し等 |
| 雇用契約書・労働条件通知書 | 受入機関・本人 | 職務、賃金、週所定労働時間、勤務地等の明示 |
3.2.2 在留資格別の追加書類(例示)
| 在留資格 | 主な追加書類 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 技術・人文知識・国際業務 | 職務記述書、組織図、配属先説明資料 | 学歴・実務経験と職務の関連性、報酬水準 |
| 高度専門職 | ポイント計算資料、研究業績一覧 | ポイント要件の立証資料の網羅性 |
| 特定技能 | 技能評価試験合格証、支援計画 | 分野告示の適合、支援体制の実効性 |
| 経営・管理 | 事業計画、出資証憑、事務所契約関係書類 | 事業の継続性・実在性、事業所要件の充足 |
| 留学 | 在学許可・入学許可、経費支弁資料 | 学修計画と支弁能力の整合 |
| 家族滞在 | 婚姻・出生関係証明、扶養者の収入資料 | 家族関係の真正、扶養能力 |
3.2.3 書類作成の実務ポイント
海外発行書類は日本語訳を添付し、必要に応じてアポスティーユ又は在外公館での認証を取得します。数値・日付・氏名表記は全書類で統一し、コピー提出が許容される書類でも原本提示を求められる場合に備えて保管します。
3.3 審査期間の目安と不備対応
3.3.1 標準処理期間の考え方
審査期間は在留資格や個別事情により異なります。標準処理期間の目安は出入国在留管理庁が公表する案内を確認し、余裕を持ったスケジュールで申請します(出入国在留管理庁)。
3.3.2 追加資料・補正対応
照会や追加提出依頼があれば、期限内に根拠資料を添付して整合性の取れた回答を行います。招聘理由書の補強、雇用実態の疎明、資力や支弁能力の補完など、判断要素に直結する資料から優先して提出します。
3.3.3 不交付時の対応
不交付の場合、理由通知の内容を精査し、要件の再充足・資料の再構成を行った上で再申請を検討します。同一内容での短期再申請は避け、欠点の実質的解消を図ることが重要です。
3.4 交付後の有効期限と取り扱い
3.4.1 有効期限と延長不可
COEの有効期限は交付日から3か月です。期限の延長は想定されていないため、発行後は速やかに査証申請と渡航準備を進めます(外務省|査証(ビザ))。
3.4.2 査証申請との関係
本人はCOEを用いて在外公館で査証申請を行います。COEは在留資格の要件適合を示す資料であり、査証発給の可否は在外公館の審査により決定されます。家族も各人分のCOEが必要です。
3.4.3 紛失・再交付
紛失・汚損等の場合は、発行局に再交付の可否と手続を確認します。再交付には事情説明や身元確認書類が求められるため、交付後は原本の厳格な管理を徹底します。
4. 査証申請の実務
査証(ビザ)は、多くの場合、居住国の日本大使館・総領事館(在外公館)で申請します。短期滞在の査証免除国の方はビザ不要ですが、就労・留学など中長期滞在では在留資格認定証明書(COE)を前提とする申請が一般的です。詳細・最新情報は外務省の案内をご確認ください(外務省「査証」)。
4.1 在外公館の予約 提出物 申請料
4.1.1 予約と申請チャネル
申請は原則、居住国を管轄する在外公館で行います。多くの在外公館では事前予約(オンライン予約やコールセンター)が必要です。国・公館によっては指定代理機関経由の受付や郵送不可など運用が異なるため、各公館ページで必ず確認してください(在外公館リスト)。
4.1.2 提出物の基本セット
必要書類は滞在目的・国籍・申請地で変わりますが、以下が典型です。個別指示が優先されます。
| 用途 | 主な提出物 | 留意点 |
|---|---|---|
| 短期滞在(観光・商用・親族訪問等) | 査証申請書、写真、旅券、行程表、招へい理由書・身元保証書(必要な場合)、滞在費用の立証、宿泊・移動計画 | 航空券の発券は査証交付後が原則。予約控えで可とする公館が多い。書類の原本・写し指定に従う。 |
| 中長期(就労・留学・家族滞在等) | 査証申請書、写真、旅券、在留資格認定証明書(原本等)、受入機関書類・在職/在学証明、戸籍・婚姻関係書類など | COEは原本提示や電子交付の印字で可など運用差あり。書類の有効期限・公的証明の翻訳/公証要否を確認。 |
| その他(外交・公用等) | 口上書、派遣辞令等、身分を示す証明 | 案件ごとの指示に従う。審査経路が異なる場合あり。 |
提出書類は最小限でも虚偽や不完全な説明は不可。不備補正や追加提出の要請に迅速に対応します。
4.1.3 申請料と支払い方法
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 金額 | 国籍・査証種別(シングル/マルチ等)で異なる。年度や為替で改定あり。 |
| 通貨・支払い | 原則、申請地の現地通貨。現金のみ/カード可などは公館指定に従う。 |
| 免除 | 二国間取決め等により免除対象あり。公館告知で確認。 |
最新の手数料・支払い方法は各在外公館の案内を確認してください(外務省「査証」)。
4.1.4 標準処理日数と受領
短期滞在の目安は受理後おおむね5営業日前後ですが、審査内容や繁忙期で変動します。審査中は旅券を預ける運用が一般的です。交付時は本人または指定の受取方法に従います。不交付の場合、理由は開示されません。原則6カ月以内の同内容再申請はできず、事情変更や追加資料がある場合のみ再申請可(外務省「査証」)。
4.2 eVISAの対象国と手続き
4.2.1 対象と概要
JAPAN eVISAは、一部の査証要件がある国・地域の申請者向けにオンラインで短期滞在査証(通常は単数入国)を申請・受領できる制度です。対象国・要件は段階的に見直されるため、必ず公式情報で最新を確認してください(JAPAN eVISA公式)。
4.2.2 申請ステップ
基本の流れは、アカウント作成(本人情報登録)→申請フォーム入力→必要書類の画像/データ提出→審査→交付通知の確認です。手数料の支払い方法や必要書類の細目は国・公館により異なります(案内に従う)。
4.2.3 入国時の提示方法
交付後は、空港で「査証交付通知」(eVISA画面)をインターネット接続した端末で表示して提示します。スクリーンショットや印刷物のみの提示は不可です(JAPAN eVISA公式)。端末の充電・通信環境を事前に確保してください。
4.2.4 よくある注意点
氏名・旅券番号の一致、旅券有効残存期間、行程・滞在費用の説明整合性に注意。申請内容の変更は新規申請が必要になる場合があります。eVISAは原則マルチプル化できません。
4.3 マルチプルビザとシングルビザの違い
4.3.1 定義と有効期間
シングルビザは1回入国で効力消滅。マルチプルビザは有効期間内に複数回入国可能で、1回の滞在は通常最長90日(短期滞在)など、公館の指定条件に従います。有効期間(例:1年・3年・5年など)や使用条件は国籍・目的で異なります。
4.3.2 申請要件と対象
マルチプルは頻繁な商用往来、安定した渡航歴、一定の経済要件などが求められることが多く、運用は国・公館ごとに異なります。該当可否や必要書類は各在外公館の案内を確認してください(在外公館リスト)。
4.3.3 使い分けと留意点
マルチプルでも就労・報酬活動は認められません(短期滞在の範囲)。旅券を更新すると既存ビザは無効になるため再申請が必要です。入国のたびに訪問目的を裏づける資料の提示を求められることがあり、不適切な利用は取り消し対象となります。手数料はシングルと異なる場合があります。
5. 入国時の上陸審査のポイント
上陸審査では「在留資格の該当性・基準適合性・相当性」の3点と、入国目的の妥当性や滞在費用・帰国可能性が総合的に確認されます。 審査は入国審査(入管)→手荷物受取→税関申告の順で進み、状況により追加質問や補足資料の提示が求められます(制度の詳細は出入国在留管理庁参照)。
5.1 携行書類のチェックリスト
原本での提示が原則です(コピーのみは不可)。電子化(eVISA・Visit Japan Web等)利用時も、本人名義で一致していることを確認してください。
| 書類 | 対象 | 取り扱い・留意点 |
|---|---|---|
| パスポート(有効期限内) | 全員 | 破損・IC不良・残存期間不足は搭乗拒否や上陸不可の典型要因。 |
| 査証(ビザ/eVISA含む) | ビザ免除対象外、就労・留学・家族滞在等 | 記載内容が入国目的と一致していること。発給条件に反する活動は不可(査証の制度は外務省:査証)。 |
| 在留資格認定証明書(COE) | 中長期在留予定でCOE取得者 | 有効期間内の原本。査証と併せて提示し、在留資格の該当性を疎明。 |
| 受入機関・身元資料 | 就労・留学・家族滞在等 | 雇用契約書・在学(入学)許可書・招聘理由書・身元保証書など、入国目的の裏付け。 |
| 旅行計画・復路航空券・資金証明 | 短期滞在 | 日程表、宿泊先、復路航空券、所持金・クレジットカード等の提示を求められることあり。 |
| Visit Japan WebのQR | 利用者 | 入国審査・税関申告の事前登録で待ち時間を短縮。未利用の場合は紙の出入国カード・税関申告書を使用。 |
| 税関申告(電子または紙) | 全員 | 同居家族は代表申告可。免税範囲・携帯品の可否は税関で事前確認。 |
| 在留カード(交付対象者) | 中長期在留者 | 対象空港到着時に交付。住所は入国後に住民登録で記載。 |
短期滞在は「観光・商用・親族訪問」など申告目的と所持資料の整合性が重視されます。就労活動は不可です。
5.2 指紋顔写真の提供と自動化ゲート
16歳以上の外国人は入国時に指紋採取・顔写真撮影が必要です。特別永住者・外交/公用は対象外。主要空港では顔認証を用いた自動化ゲート(eGate)が稼働しており、円滑に審査が進みます(運用は出入国在留管理庁)。
5.2.1 顔認証ゲートの流れ
1) パスポートを読取台に置く → 2) 顔認証・撮影 → 3) 係員の確認 → 4) 必要に応じて在留カード交付・上陸許可の付与。スタンプが省略される場合は、その場で押印希望を申し出可能です。
5.2.2 免除・例外と留意点
機器で一致しない場合や確認事項がある場合は対面ブースへ誘導されます。虚偽申告や目的不一致の疑いがあると詳細審査(セカンダリー)となり、補足資料の提出が求められます。
5.3 上陸特別許可が必要なケース
通常の上陸要件を満たさない場合でも、法令が定める範囲で例外的に認められる「特別上陸」があります。主に乗継・通過・寄港(クルーズ等)・緊急・遭難などのケースで、滞在場所・時間・行動が限定され、就労はできません(制度の枠組みは出入国在留管理庁参照)。
5.3.1 典型例
国際線の乗継や空港間移動、クルーズ船の寄港上陸、航空機の緊急着陸や船舶の遭難による一時上陸など。いずれも原則として短時間の一時的上陸に限られます。
5.3.2 実務ポイント
申請は通常、航空会社・船会社など運送事業者が関与します。旅程・身元・滞在先の確認資料を準備し、係員の指示に従ってください。査証が必要な国籍・目的は原則として査証取得が前提で、特別上陸はあくまで限定的な例外です。
6. 入国後の在留手続き
入国後は、住所登録・在留期間の管理・就労ルールの遵守・出入国の手続きなどを期限内に進める必要があります。期限を過ぎると在留資格や就労に影響するおそれがあるため、各手続きを計画的に行ってください。
6.1 住居地の届出 14日以内
中長期在留者は、新しい住所が決まってから14日以内に市区町村役場へ届出が必要です(短期滞在は対象外)。
6.1.1 対象者と期限
在留カードの交付対象者が、転入・転居後14日以内に行います。世帯単位で同時届出が可能です。
6.1.2 申請先と持参物
市区町村の窓口で、在留カード、パスポート、転入・転居届に必要事項を記入して提出します。
6.1.3 届出後の流れと注意点
住民票が作成され、未付番の場合は個人番号の通知が行われます。未届や虚偽申告は不利益の対象となるため、必ず期限内に正確に届出してください。
6.2 在留期間更新と在留資格変更
在留の目的や身分に変更がない場合は期間更新、活動内容が変わる場合は資格変更を申請します。
6.2.1 在留期間更新(更新許可申請)
在留期限の満了前に地方出入国在留管理局で申請します。通常は満了日の3か月前から申請可能です。活動実態(雇用・就学など)を示す資料を準備します。
6.2.2 在留資格変更(変更許可申請)
例:留学から技術・人文知識・国際業務への変更など。新しい在留資格の基準を満たす必要があり、許可前に新活動を開始しないよう注意します。
6.2.3 オンライン申請と審査の目安
雇用先や本人が出入国在留管理庁 在留申請オンラインシステムから申請できます。審査期間は案件により異なるため、余裕をもって準備してください。
6.3 資格外活動許可の申請
在留資格で認められた活動の範囲外で報酬を伴う活動を行うときは、事前に許可が必要です。
6.3.1 対象と範囲
主に留学生・家族滞在者などが対象。留学生は包括許可により週28時間以内(学校の長期休業中は拡大枠あり)でのアルバイトが可能です。風俗営業等の従事は不可です。
6.3.2 申請方法と必要書類
地方出入国在留管理局またはオンラインで申請します。申請書、在留カード、パスポート、在学・在籍や就労予定の確認資料などを提出します。
6.3.3 違反リスク
無許可就労や上限時間超過は、退去強制事由や在留資格取消しの対象になり得ます。雇用主側も適法性確認(在留カード・資格外活動許可)を徹底します。
6.4 就労資格証明書の活用
保有する在留資格で就労予定の職務に従事できるかを当局が証明する書面です(任意)。
6.4.1 使いどころ
転職時や職務内容変更時に、雇用主・人事労務・銀行などへの説明資料として有効で、採用手続きの円滑化に役立ちます。
6.4.2 申請手順
地方出入国在留管理局で申請します。雇用契約書(予定)、職務内容説明、在留カード、パスポート等を提出し、手数料は収入印紙で納付します。
6.4.3 採用側のメリット
在留資格違反リスクの低減、労務監査対応の強化、入社手続きの迅速化につながります。
6.5 再入国許可 みなし再入国
出国・再入国を予定する場合は、滞在期間や回数に応じて適切な手続きを選択します。
6.5.1 みなし再入国制度
有効なパスポートと在留カードを所持する中長期在留者は、原則として出国から1年以内(在留期限が先に到来する場合はその日まで)に再入国するなら、事前の許可は不要です。出国審査時にみなし再入国の意思を申告します。特別永住者は原則2年まで利用可能です。
6.5.2 再入国許可(シングル/マルチ)
1年を超えて出国する場合や複数回の出入国を予定する場合は、出国前に地方出入国在留管理局で再入国許可を取得します。許可有効期間は在留期間の範囲内で付与され、手数料は収入印紙で納付します。
6.5.3 出国前チェック
パスポートと在留カードの有効期限、再入国の方法(みなし/許可)、復路日程が在留期限内かを必ず確認してください。航空会社カウンターや出国審査で在留カードの提示が求められます。
| 手続き | 期限・目安 | 申請先 | 主な持参物 | オンライン |
|---|---|---|---|---|
| 住居地の届出 | 新住所決定から14日以内 | 市区町村役場 | 在留カード、パスポート、転入・転居届 | 不可(窓口) |
| 在留期間更新 | 満了日の3か月前から可/満了日前まで | 地方出入国在留管理局 | 申請書、在留カード、パスポート、活動実態資料 | 可(在留申請オンライン) |
| 在留資格変更 | 新活動開始前 | 地方出入国在留管理局 | 申請書、在留カード、パスポート、雇用契約・入学関係書類 等 | 可 |
| 資格外活動許可 | 就労開始前 | 地方出入国在留管理局 | 申請書、在留カード、パスポート、在籍・就労予定資料 | 可 |
| 就労資格証明書 | 転職・職務変更時に任意取得 | 地方出入国在留管理局 | 申請書、雇用契約(予定)、職務説明、在留カード、パスポート | 一部可 |
| 再入国許可 | 出国前(1年超の出国や複数回出入国) | 地方出入国在留管理局 | 申請書、在留カード、パスポート、手数料収入印紙 | 不可(原則窓口) |
手続きの最新情報・様式は出入国在留管理庁の公式案内で必ず確認してください。
7. 生活に関わる手続きと実務
7.1 マイナンバー 健康保険 年金
7.1.1 マイナンバーの取得と利用
住民登録が完了すると個人番号(マイナンバー)が付番され、市区町村から個人番号通知書が届きます。希望者はマイナンバーカードを申請できます(申請先・制度概要はデジタル庁 マイナンバー)。
マイナンバーは税務手続・社会保険・給与・金融口座の本人確認等で提示を求められるため、保管と取扱いに注意してください。
7.1.2 健康保険の加入区分
就労の有無によって加入先が分かれます。中長期在留者は原則いずれかの医療保険へ加入します。
| 身分・働き方 | 健康保険の加入先 | 手続き先 | 保険料の負担 |
|---|---|---|---|
| 会社員・パートで所定要件を満たす | 健康保険(協会けんぽ・健康保険組合など) | 勤務先(事業主が手続) | 事業主と本人で折半(給与天引き) |
| 自営業・フリーランス・留学生・無職 | 国民健康保険 | 住民登録地の市区町村窓口 | 本人(世帯)負担(納付書・口座振替) |
| 40〜64歳の該当者 | 介護保険(医療保険に付帯) | 加入する医療保険経由 | 保険者の算定により徴収 |
医療費の自己負担軽減や受診時の資格確認に必須のため、保険証を受け取ったら常時携行しましょう。
7.1.3 年金(公的年金)の加入区分
公的年金は居住と就労状況で加入種別が分かれます。制度・手続きの詳細は日本年金機構を参照してください。
会社員等は厚生年金に、その他は国民年金(第1号)に加入します。20歳以上60歳未満が対象で、学生は「学生納付特例」などの制度が利用できます。帰国時は社会保障協定や脱退一時金の適用可否を確認してください。
7.2 口座開設と税務と給与の手続き
7.2.1 銀行口座の開設
主な必要書類は在留カード・パスポート・住所確認書類(住民票や公共料金の領収書など)・連絡先です。取引目的等の確認(本人確認・職業・利用目的の申告)が必要になり、金融機関の基準に従います。給与振込用には普通預金口座を用意します。マイナンバーの提示を求められる場合があります。
口座開設の可否・追加書類・審査基準は金融機関ごとに異なるため、事前に店舗やウェブで確認しましょう。
7.2.2 給与・税務の初期手続き
就労開始時に、雇用先へ必要書類を提出し、源泉徴収・社会保険・住民税(特別徴収)の手続きが行われます。条件により確定申告が必要となる場合があります(複数社勤務、年の途中で退職・就職、医療費控除等)。
| 提出書類 | 目的 | 提出先 | タイミング |
|---|---|---|---|
| マイナンバーの提供 | 税務・社会保険の個人番号連携 | 勤務先 | 入社時 |
| 扶養控除等申告書 | 所得税の源泉徴収税額の確定 | 勤務先 | 入社時・年初 |
| 給与振込口座情報 | 給与支払の指定 | 勤務先 | 入社時 |
| 健康保険・厚生年金の資格取得届 | 社会保険の加入 | 勤務先(事業主が届出) | 入社後速やかに |
年末調整の対象外となる場合(例:年の途中で退職し未再就職)は、自分で確定申告を行い控除を反映させましょう。
7.3 賃貸契約 火災保険 保証会社
7.3.1 賃貸契約の基本と初期費用
入居申込後、審査を経て重要事項説明・契約締結・鍵の受領へ進みます。初期費用の主な内訳は以下のとおりです。
| 費用項目 | 概要 | 支払い時期 |
|---|---|---|
| 敷金 | 退去時の原状回復等に充当される預り金 | 契約時 |
| 礼金 | 貸主への謝礼金(返金なし) | 契約時 |
| 仲介手数料 | 不動産会社への手数料(上限あり) | 契約時 |
| 前家賃・共益費 | 入居開始月分(按分あり) | 契約時 |
| 鍵交換費用・抗菌費用等 | 任意・物件ルールに準拠 | 契約時 |
| 火災保険料 | 家財・借家人賠償をカバー(2年更新が一般的) | 契約時 |
| 保証会社初回料 | 連帯保証人の代替として利用 | 契約時 |
7.3.2 保証会社と火災保険
多くの物件で保証会社の加入が求められ、賃料の一定割合を初回保証料として支払います。火災保険は家財の損害と借家人賠償責任をカバーする契約を選びます。
保険の補償内容(家財の保険金額・借家人賠償・個人賠償)と免責金額を必ず確認し、居住人数・持ち物に見合う補償に設定しましょう。
7.3.3 入居までの実務フロー
書類提出(在留カード・収入証明・緊急連絡先など)→ 審査 → 重要事項説明(対面またはIT重説)→ 契約締結・初期費用入金 → 入居前確認(室内チェック・設備確認)→ 電気・ガス・水道・インターネットの開始手続き、の順に進めます。
7.4 運転免許の切替 国際運転免許の可否
7.4.1 外国免許の切替(切替え)
有効な外国運転免許証を日本の運転免許へ切り替える場合、運転免許試験場での手続きが必要です。主な持ち物は、外国の免許証・日本語翻訳(JAFや大使館等)・パスポート・在留カード・写真・手数料などです。国・条件により学科・技能試験が課される場合があります(詳細は各都道府県警の案内を参照。例:警視庁 外国の運転免許からの切替え)。
免許取得国で免許取得後に通算3カ月以上滞在していたことを示す資料が求められます。
7.4.2 国際運転免許の利用可否
ジュネーブ条約加盟国の国際運転免許(IDP)とパスポートの携行により、一定の条件下で日本国内を運転できます。中長期在留者は生活基盤の確立に合わせ、日本免許への早期切替を検討してください。
7.5 子どもの入学と予防接種
7.5.1 公立学校の入学手続き
小・中学校は原則として居住地の市区町村が所管します。新入学や転入の場合、教育委員会窓口で案内に従い、在留カード・住民票・パスポートなどを提示して手続きを行います。日本語指導が必要な児童生徒向けの支援教室や通訳の有無は自治体に確認してください。
7.5.2 予防接種と母子健康手帳
定期の予防接種は自治体が実施します。母子健康手帳で接種歴を管理し、転入時は海外の接種記録を持参して接種間隔を調整します。対象年齢や実施医療機関、費用負担の有無は居住地の案内に従って予約してください。
学校入学前後は接種スケジュールが集中します。自治体の案内に沿って早めに予約し、記録の翻訳や不足分の接種計画を立てましょう。
8. 2026年の最新動向と改正ポイント
2026年の入国・在留手続きは、デジタル化の定着と受入れ制度の見直しが同時進行しており、公式発表で確定している運用・改正の範囲を中心に実務上の影響を整理します。
| テーマ | 2025年の状況 | 実務への影響 |
|---|---|---|
| Visit Japan Web | 入国審査情報と税関申告の事前登録が継続運用。紙での申告も引き続き可能。 | QRコード提示で動線短縮。通信障害・電池切れ時の紙対応を必ず準備。 |
| 特定技能の運用見直し | 対象分野や試験・支援の運用が段階的に更新。最新の告示・要領の確認が必須。 | 求人側は支援計画・報酬水準の適正化確認、受入れ対象業務の適合性を再点検。 |
| 技能実習→育成就労 | 制度移行に向けた準備・制度設計が進行。詳細は政省令・運用要領で順次確定。 | 受入れ体制・監理の見直し、転籍・教育の運用変更に備えた社内手順の整備が必要。 |
8.1 Visit Japan Webの運用
Visit Japan Web(デジタル庁)は、訪日外国人・再入国者を含む入国者のためのオンライン手続きとして、入国審査で用いる情報の事前入力および税関申告の電子化を引き続き提供しています。紙の申告書類も引き続き利用できます。
8.1.1 実務上のポイント
入国前にアカウント作成・旅程登録・QRコード取得まで完了させることが混雑緩和と待ち時間短縮に直結します。空港の通信混雑や端末トラブルに備え、スクリーンショット保存や紙様式の予備も準備してください。
8.2 特定技能分野の見直し
人手不足分野の受入れを目的とする「特定技能」は、今後も運用の見直し(対象分野、試験スキーム、支援体制の適正化など)が段階的に行われています。最新の官報告示、運用要領、試験実施情報は出入国在留管理庁の公表で必ず確認してください。
8.2.1 実務上のポイント
募集職種が対象業務に該当するか、同一地域・同種業務の日本人と同等以上の報酬か、受入れ支援の実施体制は適正かを事前にチェックし、最新の試験区分・合格基準・日本語要件を都度アップデートしてください。
8.3 技能実習から育成就労への移行状況
技能実習制度の課題を踏まえ、新たな「育成就労」制度への移行に向けた制度設計と準備が進んでいます。2026年時点では、詳細な運用(転籍要件、教育・評価、監理の在り方等)は政省令・告示・運用要領等で順次確定・周知されます。最新情報は出入国在留管理庁の発表を参照してください。
8.3.1 実務上のポイント
受入れ企業・監理主体は、契約書式、教育計画、相談・通報体制、職場適正化(ハラスメント防止・労働時間管理・安全衛生)の再整備を進め、移行スケジュールの公表に合わせて社内規程と受入れフローを更新してください。
9. チェックリストで振り返る外国人の入国手続き
入国準備から入国後の初期手続き、更新時期までの必須ポイントを簡潔に確認できます。期限・原本・記載内容の一致を常に確認し、公式情報を参照してください。
9.1 出発前
9.1.1 渡航者本人のチェック
出国前に不備がないかを最終確認します。
| 項目 | 具体例・必要書類 | 期限・タイミング | 留意点 |
|---|---|---|---|
| 旅券 | 有効なパスポート | 出発前 | 残存期間・氏名表記の一致を確認 |
| 在留資格認定証明書 | 原本または電子データ | 出発前 | 交付日から通常3か月の有効期間内か確認 |
| 査証(ビザ) | 旅券貼付の査証/対象国は外務省「査証」やeVISA案内で確認 | 出発前 | 在留資格・入国回数(シングル/マルチ)の整合 |
| Visit Japan Web | Visit Japan Webで入国・税関の事前登録 | 出発前 | QRコードの表示可否を確認(電池切れ対策) |
| 携行資料 | 雇用契約書や入学許可の写し等(在留活動の裏付け) | 出発前 | 入国審査で説明を求められた場合に備える |
| 到着計画 | 到着空港・入国予定時刻・受入機関の連絡体制 | 出発前 | フライト遅延を想定し代替連絡手段を準備 |
9.1.2 受入機関・招聘側のチェック
到着直後からの手続きを円滑にするための準備です。
| 項目 | 具体例・必要書類 | 期限・タイミング | 留意点 |
|---|---|---|---|
| 書類共有 | 在留資格認定証明書・招聘関係書類の写しを渡航者と共有 | 出発前 | 入国審査での確認資料として役立つ |
| 住居等の初期手配 | 一時宿泊・住民登録先住所の案内 | 出発前 | 住居地の届出(14日以内)に直結 |
| 到着サポート | 空港出迎え・移動案内・多言語連絡手段の準備 | 到着日 | 通信手段(SIM等)も確保 |
| 活動内容の整合 | 職務記述書/履修計画と在留資格の適合最終確認 | 出発前 | 上陸審査時の質問に備え説明を統一 |
9.2 入国時
9.2.1 空港・港での手続き
上陸審査から税関までの流れを確認します。
| 項目 | 提示物・実施内容 | 結果 | 留意点 |
|---|---|---|---|
| 上陸審査 | 旅券・査証・在留資格認定証明書、活動を示す資料 | 上陸許可の証印等 | 旅券情報と申請情報の完全一致を確認 |
| 生体認証 | 指紋・顔写真の提供/自動化ゲート利用可否は現場案内に従う | 本人確認 | 帽子・マスク等は案内に沿って外す |
| 在留カード | 中長期在留者は一部の空港で交付、対象外港は後日郵送 | 在留カード受領(対象者) | 在留資格・在留期間等の記載をその場で確認 |
| 税関申告 | Visit Japan WebのQRまたは紙の申告書 | 携行品・現金等の申告完了 | 持込制限品の有無を事前確認 |
| 特別な取扱い | 上陸特別許可等が必要な場合は指示に従う | 入国可否の判断 | 追加資料の提出を求められることがある |
9.3 入国後14日以内
9.3.1 市区町村・入管関連
法定期限のある初期手続きを漏れなく完了させます。
| 項目 | 手続先 | 期限 | 留意点 |
|---|---|---|---|
| 住居地の届出 | 居住地の市区町村窓口(在留カード持参) | 転居・入居後14日以内 | 出入国在留管理庁「住居地の届出」を参照 |
| 在留カード記載確認 | 市区町村で住所記載、受取済カードの内容点検 | 届出時 | 氏名・在留資格・在留期間の誤記を確認 |
| 資格外活動許可(該当者) | 地方出入国在留管理局 | 活動開始前 | 在留資格に許されない活動を行う場合のみ申請 |
| 在留カードの郵送受領(該当者) | 空港交付対象外だった場合、後日郵送 | 住所届出後 | 転送不可郵便に留意し受取体制を整える |
9.3.2 受入機関の初期支援
定着を支える案内と法令順守のサポートを行います。
| 項目 | 内容 | タイミング | 留意点 |
|---|---|---|---|
| オリエンテーション | 在留資格の活動範囲・遵守事項の説明 | 入国後速やかに | 母語または理解できる言語で提供 |
| 窓口同行 | 住居地の届出・必要に応じ入管手続の案内 | 14日以内 | 必要書類の事前チェックを徹底 |
9.4 三カ月以内と更新時期
9.4.1 在留手続きの期限管理
在留期限や将来の出入国に関わる手続きを計画します。
| 項目 | 内容 | 目安 | 留意点 |
|---|---|---|---|
| 在留期間の更新 | 満了日の3か月前から申請可(地方出入国在留管理局) | 期限管理を開始 | 必要書類は出入国在留管理庁の最新案内で確認 |
| 在留資格の変更(必要時) | 活動内容が変わる場合は事前に変更申請 | 活動変更前 | 無許可の活動は不可、審査期間を見込む |
| 再入国の準備 | 短期出国は「みなし再入国」利用可否を確認、長期は許可申請 | 出国計画時 | 在留期間内・1年以内等の条件を確認 |
| 就労資格証明書(任意) | 雇用内容が在留資格に適合することの証明 | 転職時・監査対応 | 雇用の継続性や審査の円滑化に有用 |
期限のある手続き(住居地の届出14日以内・在留期間更新は3か月前から)を最優先で管理し、査証・在留情報と実際の活動内容の整合を常に確認してください。最新の手順や必要書類は、外務省および出入国在留管理庁の公式情報で更新状況を必ず確認しましょう。
10. まとめ
外国人の入国手続きは、在留資格の選定→在留資格認定証明書(必要な場合)→査証(ビザ)→上陸許可→入国後の在留・生活手続き、という5段階で進みます。結論として、目的に合致する在留資格を最初に正しく選ぶことが、その後の審査・更新・就労の可否を左右する最重要ポイントです。
用語整理の結論は明確です。在留資格認定証明書は日本側の事前審査結果を示す書類、査証は在外公館が発給する渡航許可、最終的な入国可否は上陸審査官の上陸許可で決まります。この違いを理解し、根拠資料を重層的に整えることが、不許可・差戻しリスクの最小化につながります。
実務面では、申請主体と受入機関の役割分担を明確にし、身元保証の責任範囲を理解することが重要です。不備照会には期限内に根拠資料で回答し、交付後は有効期限と原本管理に注意。査証は在外公館の予約方式・提出物・手数料を事前確認し、eVISAは対象国のみのため外務省や在外公館の最新案内を確認します。マルチ・シングルの選択は渡航頻度と在留資格に合わせます。
入国時は、旅券・査証・在留資格認定証明書原本、在留先情報、雇用契約書や入学許可書などを携行し、指紋・顔写真提供に備えます。虚偽申告は上陸拒否等の対象となるため、説明は事実に基づき簡潔に。上陸特別許可は限定的な救済であり、原則的手続きを優先するのが結論です。
入国後は、住居地の届出を14日以内に行い、在留カードの適正管理を徹底。在留期間更新・在留資格変更は余裕をもって出入国在留管理庁で手続きします。就労内容に不安がある場合は就労資格証明書で明確化し、学生や家族滞在でのアルバイト等は資格外活動許可を事前に取得。出国予定がある場合は再入国許可またはみなし再入国制度を活用(在留期間の範囲内で最長1年が一般的)します。
生活手続きでは、住民登録によりマイナンバーが付番され、健康保険・年金は勤務先の社会保険または市区町村の国民健康保険・国民年金に加入します。銀行口座開設や税務・給与手続きでは在留カードとマイナンバーの提示が求められることが多く、賃貸契約は保証会社・火災保険加入が一般的です。運転は国際運転免許証の可否や運転免許センターでの切替を確認し、子どもの就学・予防接種は市区町村・学校からの案内に従います。
2026年の動向については、Visit Japan Webの活用を含むデジタル化の継続・拡充、特定技能の運用見直し、技能実習の見直しと新制度「育成就労」への移行が政策として進行中です。制度・運用は変更され得るため、最新情報は出入国在留管理庁、法務省、外務省、各在外公館の公式発表で必ず確認するのが結論です。
最後に、チェックリストを起点に「出発前・入国時・入国後14日以内・三カ月以内と更新時期」のタスクを逆算し、期限管理と証拠書類の保存を徹底することが、外国人本人と受入企業・学校にとって最も確実でコスト効率の高い入国手続きの進め方です。