コラム 就労ビザ

就労ビザ 配偶者の在留資格はどうなる?法務省・出入国在留管理庁の最新ルールをわかりやすく解説【2026年版】

2026年1月4日

行政書士 松浪 正治

ビザ申請を専門にしている大阪府枚方市の行政書士です。 オンライン申請により全国対応可能です。

「就労ビザ 配偶者」で検索した方が最短で迷いなく手続と選択肢を理解できるよう、法務省・出入国在留管理庁の公表資料と最新ガイドラインに基づく2026年時点の正確な情報だけを整理しました。本記事で得られるのは、就労ビザを持つ本人の配偶者が取り得る在留資格の全体像(家族滞在、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、高度専門職の帯同配偶者に関する特例、特定活動(同居者)の運用)と、それぞれの就労可否・制限、必要書類と審査基準、費用・期間、オンライン申請のポイントまでを一気通貫で把握できます。結論から言うと、配偶者の就労ルートは次の三択に集約されます。1) 家族滞在で資格外活動許可を取得し原則週28時間以内で就労(風俗営業に該当する業務は不可、ダブルワークは合算管理)、2) 技術・人文知識・国際業務、介護、技能、特定技能など就労系在留資格へ変更してフルタイム就労、3) 高度専門職の帯同配偶者として特例により広い就労が認められるケースを活用、のいずれかです。本文では、海外から呼び寄せる在留資格認定証明書の取得、国内での在留資格変更・在留期間更新の手順、婚姻証明書・戸籍謄本・住民票、収入証明・納税証明・社会保険の確認、身元保証書や雇用先資料の整え方、在留カードに関する実務、審査で重視される婚姻の実体・同居の継続性・扶養能力・提出書類の整合性、よくある不許可事例、手数料(収入印紙)と標準処理期間の目安、在留申請オンラインシステムの利用条件と電子申請の添付・受付手順までを網羅。さらに、短期滞在から家族滞在に変更できるか、離婚・死別時の在留資格の扱い、同性パートナーや内縁パートナーの取り扱い、子どもの在留資格と就学などのケース別Q&Aも、出入国在留管理庁サイトの申請書様式・ガイドライン、地方出入国在留管理局や外国人在留総合インフォメーションセンター等の相談窓口の参照先つきで確認できます。まずは全体像と結論を押さえ、家族の状況に合う最善の道を公式情報で裏取りしながら選べるように導きます。

目次 非表示

1. 就労ビザ配偶者の在留資格の基本

「就労ビザ」(例:技術・人文知識・国際業務、介護、技能、特定技能、高度専門職など)で在留する本人に帯同する配偶者は、婚姻の実体、同居、扶養関係などの要件を前提に、家族滞在・身分系の在留資格・特定活動(同居者等)・就労系への変更といった複数の選択肢があり、それぞれ就労可否や在留期間の扱いが異なります。まずは配偶者が取り得る在留資格の全体像と、就労制限の有無という基本軸を正確に押さえることが重要です。

1.1 配偶者が取り得る在留資格の全体像

主たる在留資格(本人)と配偶者の主な選択肢、就労可否の基本、実務上のポイントを一覧で整理します。

主たる在留資格(本人)配偶者の主な在留資格就労可否の基本実務上のポイント
就労系(技術・人文知識・国際業務/介護/技能/特定技能 など)家族滞在原則就労不可(資格外活動許可で一定範囲可)婚姻の実体・同居・扶養能力の立証が中心。期間は本人の在留期間に連動しやすい。
日本人日本人の配偶者等就労制限なし身分に基づく在留資格。主たる在留資格者の在留状況に左右されにくい。
永住者永住者の配偶者等就労制限なし身分に基づく在留資格。永住者本人の雇用変動に連動しない。
高度専門職(HSP)家族滞在/特定活動(高度専門職の配偶者)家族滞在は原則就労不可/特定活動は条件を満たせば就労可配偶者の学歴・職歴要件を満たす場合、就労可の特定活動を選択可能。
就労系・留学 等特定活動(同居者)指定書の範囲内で可否が決まる法律婚でない未婚・同性パートナー等の帯同に活用。適用可否は個別審査。

同じ「配偶者」でも、家族滞在・身分系(日本人の配偶者等/永住者の配偶者等)・特定活動では就労可能性や在留の安定性が大きく異なります。

1.2 家族滞在とは

家族滞在は、中長期在留する外国人(就労系や留学など)の「配偶者」と「子」を主な対象とする在留資格です。原則として配偶者は被扶養者であることが想定され、在留期間は帯同する本人の在留期間・在留状況に連動します。

要件の中心は、法的に有効な婚姻であること、同居の実態があること、そして帯同者に扶養能力があることです。活動内容は「扶養を受ける配偶者等としての在留」であり、就労は原則認められません(就労を希望する場合は資格外活動許可や就労系への在留資格変更を検討)。家族滞在は「在留目的=帯同・扶養」である点が出発点で、就労は派生的な扱いになります。

1.3 日本人の配偶者等と永住者の配偶者等の違い

日本人の配偶者等は日本人と婚姻関係にある者、永住者の配偶者等は永住者と婚姻関係にある者が対象の「身分に基づく在留資格」です。いずれも原則として就労制限はなく、在留中の活動範囲は広いのが特徴です。

家族滞在が「帯同者としての在留」であるのに対し、身分系の在留資格は本人の身分・関係に基づくため、就労や在留の安定性が相対的に高い一方、婚姻の実体・同居・生計維持の見通しなどの審査は厳格に行われます。就労ビザの配偶者がこれらに該当するのは、配偶者が日本人または永住者である場合(あるいは将来、配偶者が帰化・永住許可を得た場合)です。

1.4 高度専門職の帯同配偶者に関する特例

高度専門職(HSP)に付随する優遇措置として、配偶者は通常の家族滞在に加えて、一定の学歴・職歴要件を満たす場合に「特定活動(高度専門職の配偶者)」を選択でき、指定された範囲で就労が可能になります。

高度専門職の配偶者は、要件を満たせばフルタイム就労が可能となる特例が用意されており、家族滞在よりも柔軟にキャリア形成を図れるのが実務上のメリットです。一方で、適用の有無・活動範囲は個別審査と指定に基づくため、事前に要件の充足と提出資料の整合性を丁寧に確認することが重要です。

1.5 特定活動 同居者の運用

法律婚に当たらない未婚パートナーや同性パートナーなど、家族滞在の対象外となる関係については、「特定活動(同居者)」が個別審査で認められる場合があります。活動内容・就労可否・在留期間は告示・指定書で特定され、その範囲内での在留となります。

同居者の特定活動は、帯同の実態・安定した同居関係・生計維持能力などの総合要素で審査され、就労可否も指定書に明記された範囲に限られます。制度趣旨は帯同・同居の実現にあり、家族滞在・身分系の在留資格とは構造が異なるため、適用可能性と必要資料の設計を個別に検討することが欠かせません。

2. 就労ビザ配偶者は働けるか

結論:配偶者が「家族滞在」のまま働くには資格外活動許可が必要で、週28時間以内(累計)に限られます。フルタイムで働くには在留資格を就労系へ変更します。

2.1 家族滞在で働く場合の資格外活動許可と上限時間

家族滞在は原則「就労不可」ですが、出入国在留管理局で資格外活動許可(包括許可)を取得すれば、パート・アルバイト等の就労が可能になります。許可スタンプ(在留カードの裏面等)に「1週について28時間以内」等と記載されます。

区分就労の可否必要手続労働時間の上限主な注意点
家族滞在(資格外活動許可あり)可(パート・アルバイト等)資格外活動許可(包括許可)週28時間以内(事業所合算)活動目的はあくまで「扶養を受けること」。就労が主目的化しないよう注意。
家族滞在(資格外活動許可なし)不可報酬を得る活動は行えない。

「家族滞在」の就労は従たる活動に限られ、世帯の生計維持は原則として主たる就労者(在留資格の本体側)が担う前提です。

2.1.1 週28時間以内の範囲と例外

「週28時間」は全勤務先の合計です。所定労働時間と残業時間の合計が対象で、深夜・早朝・曜日の制限はありません(労働基準法等の一般法令は遵守)。

家族滞在には、留学のような長期休暇中40時間等の特例はありません。常に週28時間以内です。

2.1.2 風俗営業に該当する業務の禁止

資格外活動許可があっても、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)に規定する営業、またはその営業に係る場所での接客業務(接待を伴う飲食店、接客を行うカラオケ等)には従事できません。

求人形態や職種名にかかわらず、実態が風営法該当の接客業務であれば不可です。

2.2 配偶者が就労資格に変更してフルタイムで働くケース

フルタイムでの雇用を希望する場合は、在留資格変更許可申請により「就労系」の在留資格へ変更します。許可後は在留資格の活動範囲内で就労時間の上限はありません。

在留資格主な要件の要旨代表的な職務例雇用形態/労働時間
技術・人文知識・国際業務大学等の学歴または相応の実務経験。職務が専門性と合致。システムエンジニア、通訳・翻訳、経理・マーケティング等のホワイトカラー業務原則フルタイム可(契約・職務内容の範囲内)
介護介護福祉士の国家資格取得。介護福祉士としての介護業務(施設・在宅等)フルタイム可
技能所定分野での熟練技能・実務経験。外国料理の調理師等、入管法上の対象職種フルタイム可
特定技能(1号/2号)分野別の技能試験・日本語要件、または相当要件の充足。製造業、外食業等の所定分野での現業系業務フルタイム可(受入機関との有期/無期契約)

いずれも原則として内定(雇用契約)と、職務内容・報酬・在留資格の適合性を示す資料が必要です。就労系へ変更すると週28時間の上限はなくなりますが、在留資格の活動範囲外の業務には従事できません。

高度専門職の帯同配偶者に関する特例(特定活動での就労可)等、個別の運用があるため、最新の要件は出入国在留管理庁の公表情報を確認してください。

3. 手続きの流れと必要書類

配偶者に関する在留手続きは「海外から呼び寄せる(在留資格認定証明書)」「日本国内での在留資格変更」「在留期間更新」の3パターンが中心です。以下では、手続き別の進め方と必要書類、作成の注意点を整理します。最新の様式・運用は出入国在留管理庁の公式情報(出入国在留管理庁)で必ず確認してください。査証申請は在外公館で行うため、申請方法は外務省の案内(外務省ビザ情報)も参照します。

手続き主な申請先申請人・申請取次者主な提出物結果後の次の行動
在留資格認定証明書(COE)地方出入国在留管理局日本在住の配偶者(扶養者)または所属機関、申請取次者所定申請書、写真、婚姻関係資料、身元保証書、扶養能力資料、住居資料、旅券写し(該当時)、翻訳文COE原本を海外の配偶者へ送付→在外公館で査証申請→入国時に在留カード交付(対象空港)→住民登録
在留資格変更許可地方出入国在留管理局本人(日本国内の配偶者)または申請取次者所定申請書、写真、現在の在留カード・旅券、婚姻関係資料、扶養能力資料、住居資料、翻訳文許可後に新在留カード受領(または記載更新)→市区町村で必要な届出
在留期間更新許可地方出入国在留管理局本人または申請取次者所定申請書、写真、現在の在留カード・旅券、婚姻継続資料、扶養能力資料、住居資料許可後に在留カード更新→市区町村で必要な届出

3.1 海外から配偶者を呼び寄せる場合 在留資格認定証明書

日本在住の配偶者(就労ビザ保持者や日本人・永住者など)が、地方出入国在留管理局で「在留資格認定証明書(COE)」を申請します。提出物は婚姻の実体と生計維持の見通し、同居予定の住居を示す資料が中心です。外国語書類には日本語訳を添付します。

COEは査証(ビザ)そのものではありませんが、在外公館での査証発給判断の重要資料となり、入国審査を円滑にします。COE原本を海外の配偶者に送付し、配偶者は日本大使館・総領事館で査証申請を行い、査証貼付後に入国します。入国時に中長期在留者には在留カードが交付され、転入後14日以内に市区町村で住民登録を行います(詳細は出入国在留管理庁外務省参照)。

3.2 国内での在留資格変更の手順

配偶者が既に日本に在留している場合、地方出入国在留管理局で「在留資格変更許可申請」を行います。申請時には旅券・在留カードの提示、婚姻の実体を示す資料(婚姻証明や同居実態)、扶養能力を示す資料(課税・所得資料、在職証明等)を整えます。審査中は結果が出るまで出国しないことが無難です。許可後は新在留カードの受領または記載更新を行い、市区町村で必要な届出をします。

3.3 在留期間更新の手順

現在の在留資格(家族滞在、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等など)を維持して継続在留する場合、「在留期間更新許可申請」を地方出入国在留管理局で行います。婚姻関係の継続性(同居状況、戸籍・住民票等)と生計維持の安定性(課税・納税、在職状況等)を示す資料を準備します。許可後は在留カードを更新します。

3.4 必要書類一覧と作成ポイント

下表は代表的な書類と作成の勘所です。案件により追加資料を求められることがありますので、最新の様式・記載要領は必ず出入国在留管理庁で確認してください。

書類名準備者必要となる手続き取得先作成ポイント
在留資格認定証明書交付申請書/変更・更新申請書申請人(代理可)COE/変更/更新公式様式(ISA)最新様式を使用し、記載漏れ・押印欄の有無を確認。
写真申請人COE/変更/更新写真店等規格サイズ・6か月以内撮影・裏面に氏名。
旅券・在留カード申請人変更/更新(COEは写し等)本人所持有効性と氏名表記の一致を確認。
婚姻関係資料(婚姻証明書/戸籍謄本/婚姻届受理証明書)夫婦COE/変更/更新市区町村/国外当局最新のものを提出。外国語は日本語訳を添付。
住民票(世帯全員・続柄記載)日本在住配偶者COE(呼寄人側)/変更/更新市区町村世帯構成と同居実態を確認できる記載に。
身元保証書日本在住配偶者COE/変更(該当)所定様式保証内容と署名を明確に。連絡先を正確に。
扶養能力資料(課税・所得証明、納税証明、在職証明、源泉徴収票等)日本在住配偶者COE/変更/更新市区町村、勤務先等最新年度分を中心に整合性を確保。
住居資料(賃貸借契約書写し等)世帯COE/変更/更新賃貸人・管理会社等同居予定住所と契約名義の一致を確認。
翻訳文(日本語)翻訳者外国語資料がある場合翻訳者作成訳者名・日付・言語を明記。要旨が正確であること。
質問書・経緯説明(該当在留資格)夫婦該当時所定様式等交際・同居の実態を具体的・一貫性ある内容で。

提出書類の「整合性(氏名・生年月日・住所・世帯・収入額・在職先)」が審査の要点です。表記ゆれや旧姓・住所変更は、補足資料で理由と時系列を明確にしましょう。

3.4.1 婚姻証明書 戸籍謄本 住民票の扱い

日本人配偶者がいる場合は最新の戸籍謄本(婚姻事項が記載されたもの)を用意します。国外で婚姻した場合は当該国の婚姻証明書に日本語訳を添付し、必要に応じて婚姻届受理証明書で日本側の手続状況を補完します。住民票は世帯全員・続柄記載で同居実態を示し、別居中は別居理由や再同居予定を説明資料で補います。

外国語書類は日本語訳を添付し、訳者の氏名・作成日・原文言語を明記します。原本還付を受けたい場合は写しを添え、窓口で原本提示のうえ申出を行います。

3.4.2 収入証明 納税証明 社会保険の確認

扶養能力は「市区町村の課税(所得)証明書」「納税証明書」「源泉徴収票」「在職証明書」等で示します。直近に転職・独立があれば雇用契約書・給与明細・事業の収支見込み等で補強します。社会保険については健康保険被保険者証の写しや加入状況、被扶養者の取扱いがわかる資料の提出を求められる場合があります。

年収・課税額・勤務先が各書類間で一致しているか、扶養人数の増減が住民票・保険の手続きと整合しているかを必ず点検してください。不一致がある場合は時系列と理由を説明する書面を添付すると円滑です。

4. 審査基準と不許可になりやすい事例

配偶者に関する審査は「婚姻の実体」「生計の安定性」「提出資料と在留状況の適法性」を総合評価する運用であり、いずれかに重大な疑義がある場合は不許可リスクが高まります。

審査項目主な確認資料不許可になりやすい例留意点・対策
婚姻の実体・同居住民票の同一世帯、公的な婚姻証明、賃貸契約・公共料金、渡航記録、送金記録、交流履歴同居実態が乏しい、交際期間が極端に短い、説明不能な仲介関与、形式婚の疑い別居理由は就労・学業等の客観資料で補完し、今後の同居計画を具体化
扶養能力・生計維持在職証明・雇用契約、課税証明・納税証明、社会保険加入状況、預貯金、住居の契約書収入の大幅な不足や不安定、度重なる無職期間、未納税・未加入、住居の確保不十分年収見込みの根拠を明示し、未納は清算。扶養人数や家賃水準との整合性を確保
書類の整合性・在留状況各種公的証明、申請書、旅券・在留カード、資格外活動許可、犯罪経歴の有無記載不一致・矛盾、虚偽・改ざん、週28時間超の就労などの違反歴、在留目的の逸脱記載は統一し、翻訳は全訳・署名。過去の違反があれば事情説明と再発防止策を提示

4.1 婚姻の実体と同居の継続性

審査では、法的に有効な婚姻であることに加え、実態としての共同生活の有無と継続性が中心的に確認されます。住民票の同一世帯、賃貸借契約や公共料金の名義・使用実績、過去の渡航・出入国記録、家計の実態が分かる送金記録、合理的範囲での交流履歴などが総合評価の対象です。別居中でも、就労や学業、赴任等のやむを得ない事情が客観資料で説明でき、具体的な合流時期と住居計画が示されれば評価の助けになります。

一方で、交際・同居の経過が不明瞭、紹介料や仲介人の関与が強く説明不能、短期間での駆け込み婚姻、同居の実態が見られないといった事情は、形式婚の疑いとして不許可リスクを高めます。写真のみの提出は補助資料にとどまり、客観資料による補強が不可欠です。

4.2 扶養能力と生計維持の見通し

就労ビザ保持者(または配偶者本人が就労資格へ変更予定の場合を含む)の収入の安定性、雇用形態・契約期間、課税・納税状況、社会保険加入、住居の確保状況が審査されます。課税(所得)証明書・納税証明書、在職証明や雇用契約書、健康保険・年金の加入状況、家賃と世帯収入のバランスなどの整合が重要です。

不許可になりやすいのは、収入が著しく不安定、転職直後で見込みに根拠がない、税・保険の未納、短期雇用が連続する、住居が世帯人数に見合わないなどのケースです。年収見込みは給与明細・契約書・人事証明で補強し、未納は完納の上で領収書等を添付して説明します。

4.3 提出書類の整合性と在留状況

申請書、住民票、戸籍・婚姻証明、住所・氏名表記、賃貸契約、勤務先情報などの記載が相互に一致しているかが確認されます。翻訳は全訳・署名・作成者明記とし、略訳や抜粋は齟齬の原因となります。偽変造・虚偽記載は厳格に否定評価され、将来の申請にも重大な不利益を及ぼします。

在留状況では、過去の資格外活動の範囲遵守(家族滞在での週28時間以内等)、在留期限の管理、在留目的の逸脱の有無、退去強制・上陸拒否歴、刑事罰の有無などが見られます。違反歴がある場合は、事実関係・経緯・再発防止策を具体的に説明し、現在の適法性を裏付ける資料を併せて提出することが重要です。

審査は個別事情の積み上げによる総合判断であるため、弱点がある論点は客観資料と合理的な説明で補い、記載の統一・未納の清算・同居計画の明確化を徹底することが不許可回避の鍵となります。

5. 費用と期間の目安

5.1 手数料 収入印紙の金額

出入国在留管理庁の在留手続は、原則として「許可時」に収入印紙で手数料を納付します(不許可の場合は納付不要)。収入印紙は入管庁の窓口や郵便局で購入できます。

手続区分手数料(収入印紙)納付のタイミング・場所補足
在留資格認定証明書(COE)交付申請海外からの呼寄せ0円(手数料不要)日本国内の代理人等が申請。交付後は在外公館で査証申請が必要。
査証(ビザ)発給料在外公館単数3,000円/数次6,000円/通過700円在外公館窓口で現金等国籍・相互主義で変動・免除あり。収入印紙ではなく在外公館で納付。
在留資格変更許可例:家族滞在→就労系6,000円(収入印紙)許可時に入管窓口フルタイム就労に切替える場合等。
在留期間更新許可例:家族滞在・就労系の更新6,000円(収入印紙)許可時に入管窓口在留期限の3か月前から申請可。
資格外活動許可家族滞在でのアルバイト0円(手数料不要)週28時間以内等の条件あり。
再入国許可通常の再入国単数4,000円/数次7,000円(収入印紙)許可時に入管窓口みなし再入国制度(1年以内かつ在留期間内)は手数料不要。

オンライン申請を用いた場合でも、許可時の手数料は原則として収入印紙で納付し、在留カードの受取を行います。

5.2 標準処理期間と待ち時間の実務

標準処理期間は「審査上の目安」であり、繁忙期・照会・追加資料要求があると延びます。更新は在留期限の3か月前から早めに着手してください。

手続標準処理期間の目安申請可能時期実務上のポイント
在留資格認定証明書(COE)交付申請1~3か月程度随時配偶者の婚姻実体や扶養能力の確認で照会が入ると長期化しやすい。
在留資格変更許可1~3か月程度在留期限内就労内容・労働条件の適合性審査で追加提出が生じやすい。
在留期間更新許可2週間~1か月程度在留期限の3か月前から繁忙期や書類不足で1~2か月に延びることがある。パスポート・在留カードの受取日程に余裕を。

受取は原則本人(または認定された取次者)が行い、在留カード更新・資格変更の効力は許可日から発生します。

6. オンライン申請と最新の運用

出入国在留管理庁の「在留申請オンラインシステム」を使うと、就労ビザ配偶者に関する主要な手続(家族滞在の在留期間更新・在留資格変更、配偶者呼び寄せの在留資格認定証明書交付申請、資格外活動許可など)が自宅や職場から申請できます。もっとも、オンライン申請を行っても在留カードの交付を伴う場合は、本人確認やカード受領のために原則として入管窓口での手続が必要です。

6.1 在留申請オンラインシステムの利用条件

利用できるのは、申請人本人(配偶者)、受入機関(就労ビザ本人の所属機関・勤務先)、および登録済みの申請取次者(行政書士・所属機関の担当者など)です。初回は「利用者情報登録」により利用者IDを取得し、以降は同IDで手続を作成・送信します。制度の概要や最新の運用は出入国在留管理庁の公式情報をご確認ください(出入国在留管理庁)。

申請主体代表的な場面主なオンライン対象手続留意点
配偶者本人家族滞在で在留中に更新・変更を行う在留期間更新許可、在留資格変更許可、資格外活動許可本人確認のための情報登録が必要。許可後の在留カード受領は原則窓口。
受入機関(勤務先・所属機関)就労ビザ本人の配偶者・子を海外から呼び寄せる在留資格認定証明書交付申請(家族滞在等)機関情報の事前登録が前提。電子交付分の管理・送付体制を整備。
申請取次者(行政書士等)依頼を受けて一括でオンライン申請する上記各手続の代理提出取次者としての届出・権限確認が必要。補正・照会対応もシステム上で実施。

対象手続や必要な事前登録は運用の更新により変わるため、申請前に最新の案内・操作マニュアルを必ず確認してください。

6.2 電子申請の添付書類と受付手順

オンライン申請では、申請書情報の入力に加えて、必要書類をスキャンまたは撮影して電子ファイル(例:PDF、画像ファイル)で添付します。添付書類は原本の全ページを鮮明に読み取れる状態で提出し、日本語以外の文書には日本語訳を添付するのが原則です。原本提示や追加提出を求められることがあるため、提出後も原本・控えを保管してください。

手続オンラインでの主な添付の例作成・提出時のポイント
家族滞在 在留期間更新婚姻関係を示す書類、同居状況の説明資料、扶養者の収入・課税証明、在職証明最新年度の収入・納税状況がわかる公的証明を用意。住所・氏名の表記を統一。
家族滞在 への在留資格変更婚姻証明、戸籍謄本(日本側)、住民票、生活費の見通し資料全頁をカラーで読み取り。外国文書は日本語訳を添付し、出所がわかる形で提出。
在留資格認定証明書(呼び寄せ)婚姻・親子関係を示す公的書類、身元保証書、受入機関の概要資料スキャンの解像度・ファイル容量の上限に注意。原本提示の指示に備えて保管。
資格外活動許可在留カード面の画像、就労予定の概要(業務内容・時間数)家族滞在は週28時間以内などの上限を遵守する前提で申請内容を明確化。

基本的な進め方は次のとおりです。(1)利用者情報登録(利用者IDの取得)。(2)手続の選択と申請人情報・在留カード番号等の入力。(3)必要書類の電子化と添付。(4)申請データの送信と受付番号の取得。(5)審査中の補正・追加提出の依頼へ対応。(6)許可後、手数料が必要な場合は収入印紙で納付し、在留カード交付が伴う場合は原則として入管窓口で受領します。

電子交付される資料(例:在留資格認定証明書の電子交付)の取扱いは最新の運用に従ってください。詳細は出入国在留管理庁の公式案内を参照してください(出入国在留管理庁 公式情報)。

7. ケース別のよくある質問

7.1 短期滞在から家族滞在に変更できるか

原則として「短期滞在」から「家族滞在」への在留資格変更は認められません。例外的に、出入国在留管理庁が「やむを得ない特別な事情」と判断した場合に限り、国内での在留資格変更許可申請が検討されます。通常は一度出国し、在外公館で査証取得(在留資格認定証明書に基づく手続)が必要です。

ケース変更の可否主な条件・留意点補足書類の例
短期滞在から家族滞在(原則)不可いったん出国し、在留資格認定証明書を用いて配偶者帯同の手続
短期滞在から家族滞在(特別な事情)可能性あり治療や出産等で出国が著しく困難などの事情が立証できること理由書、医師の診断書、航空券取消し証跡 等
短期滞在中に婚姻成立原則不可婚姻は在留変更の要件の一部に過ぎず、通常は出国・在外申請婚姻証明書、交際実体資料 等

国内変更の可否は事案ごとの総合判断です。「特別な事情」に当たらない場合は、在留資格認定証明書の取得→在外公館で査証申請→入国というルートが最短・確実です。

7.2 離婚や死別があった場合の在留資格の扱い

離婚・死別が生じたら14日以内に在留カード記載事項等の届出が必要で、継続在留には在留資格の見直し(変更)が原則必要です。婚姻の実体が在留の基礎であるため、その消滅後は「家族滞在」や「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」を維持できないのが通常です。

在留資格(変更前)届出主な選択肢留意点
家族滞在14日以内就労資格(技術・人文知識・国際業務 等)へ変更/出国扶養・同居の前提消滅。就労内定があれば就労資格へ変更申請
日本人の配偶者等/永住者の配偶者等14日以内定住者(該当事由がある場合)/就労系資格/出国婚姻期間、同居・生計、子の監護など事情を総合考慮

未成年の子を監護・養育している、長期の婚姻実体があった、独立した生計が確立している等の事情があると、個別審査で「定住者」や他の適切な資格が検討されることがあります。不許可回避のため、届出と同時に今後の在留計画(就労先・生計設計・監護状況)の立証資料を準備してください。

7.3 同性パートナー 内縁パートナーの取り扱い

家族滞在は原則「法律上の配偶者(婚姻)」が対象で、内縁・未婚の事実婚や同性パートナーは対象外です。一方、高度専門職の帯同では「特定活動(同居者)」としてパートナー帯同が検討される運用があり、同居・生計維持の実態等を厳格に確認されます。

関係性一般就労(例:技術・人文知識・国際業務)の帯同高度専門職の帯同ポイント
法律婚(異性)家族滞在の対象家族滞在の対象婚姻証明書の提出が基本
事実婚(内縁)原則対象外特定活動(同居者)で検討余地同居実績・扶養実態の立証が重要
同性パートナー原則対象外特定活動(同居者)で検討余地自治体のパートナーシップ証明は参考資料に留まる

「同居者」枠の可否は審査結果に左右されます。適格性(高度専門職の要件充足)、安定的な扶養能力、同居継続性の資料(共同名義賃貸・送金記録・写真等)を体系的に準備しましょう。

7.4 子どもの在留資格と就学

就労ビザ保有者の子は、帯同する場合に「家族滞在」を取得するのが一般的です。日本で出生した子は、出生後30日以内に「在留資格取得許可申請」を行う必要があります。許可後に在留カードが交付され、以降は在留期間の更新手続を行います。

場面必要な在留手続期限の目安留意点
日本で出生在留資格取得許可申請(家族滞在 等)出生後30日以内母子手帳・出生届受理証明等で立証
海外から呼び寄せ在留資格認定証明書→査証→入国扶養能力・同居予定の立証が必要
アルバイト(高校生等)資格外活動許可就労前週28時間以内・風営法該当業務は不可

義務教育相当の年齢であれば、住民登録後に教育委員会の案内に従い公立学校へ就学できます。就学は在留資格の活動範囲内であり、許可は不要ですが、就労する場合は別途「資格外活動許可」が必須です。

8. 公式情報と確認方法

8.1 法務省 出入国在留管理庁のガイドライン

出入国在留管理庁 公式サイトでは、「家族滞在」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「高度専門職の帯同配偶者」「特定活動(同居者)」に関する告示・運用要領・Q&A・標準処理期間等が公開されています。制度改正や取扱い変更は随時更新されるため、申請前に最新の掲載日・更新履歴・対象在留資格のページを必ず確認してください。

根拠法令・省令・告示は、政府の公式データベースであるe-Gov法令検索(入管法・施行規則)で条文単位に確認できます。ガイドラインと法令本文を突き合わせ、要件(在留資格該当性・基準適合性)と必要資料の位置づけを確認すると誤りが減ります。

情報源主な内容具体的に確認する項目更新確認のポイント
出入国在留管理庁 公式サイト在留資格ごとの手続案内、運用ガイド、標準処理期間、必要書類案内対象在留資格の要件、必要書類一覧、提出先、手数料、標準処理期間ページ最終更新日、告示・通知の改正有無、申請様式の版数
e-Gov法令検索入管法、施行規則、省令・告示の原典該当条文(資格該当性・基準適合性)、身分系資格の要件、資格外活動規制施行日、改正履歴、附則・経過措置の有無

「通達・Q&A」と「法令本文」で結論が異なる場合は、最終的に法令・告示・規則の原典に基づいて判断し、不明点は窓口で確認します。

8.2 申請書様式 ダウンロードと相談窓口

各種申請(在留資格認定証明書交付・在留資格変更・在留期間更新・資格外活動許可など)の申請書様式・記載例・必要添付資料出入国在留管理庁 公式サイトの該当ページに掲載されています。必ず最新版の様式と記載要領を使用し、提出先(地方出入国在留管理局・支局・出張所)と受付時間、収入印紙額を事前に確認してください。

手続主な様式・添付の例提出先事前確認
在留資格認定証明書交付認定申請書、婚姻証明・戸籍関係、身元保証書、扶養能力資料申請人の受入れ先又は日本側配偶者の住所地を管轄する窓口最新様式、必要部数、標準処理期間、郵送可否
在留資格変更変更申請書、雇用契約・職務説明、学歴・資格、収入見込み居住地を管轄する窓口審査基準に合致する就労資格の選定、手数料
在留期間更新更新申請書、同居状況資料、納税・社会保険の状況居住地を管轄する窓口更新可能時期、必要な同居実態の立証方法
資格外活動許可資格外活動許可申請書、勤務先概要、労働時間の計画居住地を管轄する窓口週28時間以内の遵守、風俗営業等の禁止対象

個別事情の確認や提出書類の整合性に不安がある場合は、最寄りの地方出入国在留管理局の相談窓口で事前相談を行うと確実です。手続や同居実態の立証方法は管轄や事案により必要資料が追加されることがあるため、申請直前にも最新情報を再確認してください。

9. まとめ

結論:就労ビザの配偶者が取り得る在留資格は、目的と身分関係で異なります。帯同を主とする「家族滞在」、身分系で就労制限のない「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」、高度専門職に付随する特例、そして個別運用の「特定活動(同居者)」が主な選択肢です。何を優先するか(帯同か就労か、将来の在留見通しか)で最適解は変わります。

結論:配偶者が働けるかは在留資格で決まります。「家族滞在」は原則就労不可ですが、資格外活動許可を得れば週28時間以内で就労可能です(いわゆる長期休業中の上限拡大は留学に関する特例であり家族滞在には適用されません)。風俗営業等に該当する業務は不可です。フルタイムを望む場合は「技術・人文知識・国際業務」「介護」「技能」「特定技能」「高度専門職」など就労資格への変更が確実です。

「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」は身分に基づく在留資格のため就労制限がありません。一方、高度専門職の帯同配偶者には就労に関する特例が設けられており、一定の条件の下でフルタイム就労が認められる場合があります。いずれも具体的な可否は個別審査で判断されます。

手続面では、海外から呼び寄せるときは「在留資格認定証明書」、国内で働き方や身分に合わせるときは「在留資格変更」、継続在留は「在留期間更新」が基本の流れです。婚姻証明書や戸籍謄本、住民票、収入・納税証明、社会保険の加入状況などを整え、日本語訳が必要な書類には訳文を添付するのが実務上の要点です。

審査の核心は「婚姻の実体と同居の継続性」「扶養能力と生計維持の見通し」「提出書類の整合性と在留状況」です。ここが弱いと不許可リスクが高まります。事実関係を説明できる資料(同居の実態、収入・納税・保険の適正、婚姻の経緯等)を一貫性ある形で示すことが許可率を左右します。

費用は、在留資格変更許可・在留期間更新許可の手数料が収入印紙6,000円、在留資格認定証明書の交付は手数料不要です。期間は事案や時期で変動するため、出入国在留管理庁が公表する標準処理期間を確認し、余裕を持った計画が必要です。

オンライン申請は「在留申請オンラインシステム」を利用しますが、対象手続・利用者区分・添付書類の要件は更新されます。最新の運用(利用条件、電子署名・本人確認、原本提示の要否など)は法務省・出入国在留管理庁の案内で必ず確認してください。

個別論点の結論として、短期滞在から家族滞在への変更は原則不可ですが、やむを得ない特別な事情がある場合に限り認められる余地があります。離婚・死別が生じたときは在留資格の見直しと届出が必要です。同性・内縁パートナーは原則「配偶者」には当たりませんが、高度専門職等で「特定活動(同居者)」が認められる運用があります。子どもの在留は親の在留資格や国籍により取り得る資格が異なるため、早期に個別確認するのが安全です。

最終的に、許可・不許可は個々の事情に即した総合判断です。法務省・出入国在留管理庁のガイドライン、申請書様式、標準処理期間、各種FAQと窓口情報を一次情報として参照し、不明点は出入国在留管理局や行政書士(申請取次者)に相談することが、確実で迅速な手続きにつながります。

  • この記事を書いた人

行政書士 松浪 正治

ビザ申請を専門にしている大阪府枚方市の行政書士です。 オンライン申請により全国対応可能です。

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